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SALON74 2015年11月1日

新・建築探訪シリーズ :歴史的建造物探訪 №20

鵠沼の茶室
【このコーナーでは神奈川県内に現存する、スクランブル調査隊メンバーがかかわったり
探訪した歴史的な建物やまちなみを紹介します。】

 鵠沼海岸駅から海に向かい数分歩いていくと、この地区では唯一と思われる茅葺き屋根の建物が現れます。 明治・大正・昭和の文士たちが逗留・執筆活動を行い、鵠沼の文化を華ひらかせた場所である、割烹旅館・東屋の離れと言われています。
 東屋は明治25年頃創業し、一万坪の広大な敷地内に、本館・別館・離れ・池などがあり、 関東大震災によって倒壊後、翌年には再建されましたが、昭和14年に閉業しました。
 昭和21年、所有者が建物を手に入れたときには、この建物と隣の二階建ての建物1棟以外は全て取り壊され、 土地も分譲されていたそうです。今では近辺に旅館の面影は全く感じられなくなっています。 その後、内部に茶室が二部屋つくられました。これは、実業家であり茶室研究家でもある江守奈比古氏の設計によるもので、 茅葺きの家に茶室をつくりたい、居心地の良い自分のための茶室をつくりたいという夢を叶えたと伝わっています。 「方庵」と名付けられた書院付一畳半板入りの茶室は、一間の板縁に二枚の襖をはめ込んで、 右襖を亭主の入口、左を客の入口としています。また、亭主と客畳の間に一尺幅の中板を入れて室内の狭さを緩和しています。

 もう一つの茶室は、六畳の中に残月床を設け、残りの四畳半でお茶を楽しむ席となっています。狭くて暖か、茶を点てながら座談ができる「方庵」を冬の席、書院の火燈窓を風字形に切った四畳半本勝手の茶室を夏の席として使用するなど、 研究家である氏の茶の持て成しの哲学を現していると言えます。 江守氏(1902~1992)は、ワシントンの日本大使館、熱海MOA美術館の茶室等の設計も手がけています。
また茶室や茶の作法、茶の道具などについての著書も多数出ていますので、興味を持った方は本を探してみてはいかがでしょうか。 今回改めて氏について調べ、私も一冊注文したところです。
(参考:第1回邸園(歴史的建造物)保全活用推進員養成講座11班「私たちが見つけた歴史的建造物」調査票)
概要
名 称:鵠沼江守邸
所在地:藤沢市鵠沼海岸(個人宅のため見学不可)
建設年:昭和8年
茶室設計:江守奈比古
施 工:不明
構 造:木造平屋建
(スクランブル調査隊 桑田由加子)

特集 省エネ住宅を考える
  ~感境建築を目指して!!~

はじめに

   平成27年9月に起きた鬼怒川の氾濫は、私たちに改めて自然災害の脅威を再認識させるとともに、 災害対策のあり方について、そして何よりも「昨今はなぜこのような異常気象が頻発するのか」との疑問を投げかけています。 「地球温暖化の影響」、すべてその一言で片づけてしまうわけにはいきませんが、少なからず私たちが日常生活を営む中で もたらされるCO2の排出量の増加が、地球規模での気候変動の一因となっていることに疑問をはさむ人はいないでしょう。 このような状況を受けて、わが国でも様々な経済活動分野でエネルギー消費量を減少させる取組が続けられてきました。 しかしながら、下図に示すとおり、他部門(産業・運輸)のエネルギー消費量が減少する中で、 建築物部門のエネルギー消費量は逆に著しく増加し、現在では全体の1/3以上を占めるにいたっています。

 これからわかるとおり、わが国におけるエネルギー消費量を減らし、ひいては地球温暖化の原因となるCO2を削減するためには、建築物部門の省エネ対策の抜本的強化が必要不可欠であるといえます。  SALONでは、これら省エネルギー化に向けた国の動向を踏まえ、「これ以上の地球温暖化を防ぐために、建築士ができることはなにか」を考えるきっかけとなることを願って、特集を構成しました。

1 最近の動向と今後の流れ

(1)最近の動向
わが国では、1970年代の石油危機を契機として、省エネ施策の根幹となる「省エネ法」を1979年に制定しています。そして「努力義務」であった省エ ネ法創設から35年を経た今、先に述べたように、わが国の建築物におけるエネルギーの消費量は著しく増加しており、省エネ化を進めるためには建築物の分野における重点的な対策が喫緊の課題となっています。 このため、国は建築物のエネルギー消費性能の向上を図ることを目的に、平成27年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)を新たに創設・公布しました。 この法律の内容は主に、①住宅以外の一定規模以上の建築物のエネルギー消費性能基準への適合義務の創設、②エネルギー消費性能向上計画の認定制度の創設等、を大きな柱としています。  なお、適合義務、届出等の規制的措置についてはこの法律の公布の日から2年以内に施行する予定となっています。
(2)建築物省エネ法の概要
この法律は、「規制措置」と「誘導措置」の両面を持っています。このうち、規制措置に係る大きな二つの柱の概要は以下のとおりです。
①大規模な非住宅建築物に対する適合義務及び適合性判定義務
大規模(2,000㎡以上)な非住宅建築物(特定建築物)については、新築時等におけるエネルギー消費性能基準への適合及び適合性判定を義務化し、これを建築基準関係規定とみなして建築確認で担保することとします。
②中規模以上の建築物に対する届出義務
中規模(300㎡以上2,000㎡未満)以上の建築物については、新築時等における省エネ計画の届出を義務化し、エネルギー消費性能基準に適合しないときは、必要に応じ、所管行政庁が指示・命令等を行うことができます
また、誘導措置として、建築物の所有者が行うことのできる、
③エネルギー消費性能の表示、
省エネ誘導基準への適合を受けると容積率の特例を受けることができる、
④省エネ向上計画の認定(容積率特例)、
等があります。

(3)今後の流れ
建築物省エネ法の制定を受け、建築物の省エネ施策は今後どのように展開していくのでしょうか。 政府は、省エネ施策の中短期目標として、住宅・建築物の省エネ基準の段階的適合義務化を内容とした、「日本再興戦略」を平成27年6月に閣議決定しました。その内容は、「規制の必要性や程度、バラン ス等を充分に勘案しながら、
2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する。
これに向けて、中小工務店・大工の施工技術向上や伝統的木造住宅の位置付け等に十分配慮しつつ、円滑な実施のための環境整備に取り組む」 となっています。 下図の『新築住宅・建築物の省エネ基準適合化スケジュール』(横浜市建築局作成)は、 国土交通省の「住宅・建築物の省エネルギー対策に関する工程表」(H27.1)を参考に、義務化の流れをわかりやすくまとめたものです。
義務化の流れとして、2,000㎡以上の大規模な非住宅建築物の義務化から始まり、順次、大規模住宅、300㎡以上2,000㎡未満の中規模建築物、 そしてすべての小規模住宅へと適合義務化を進めていくことになります。 またあわせて、2020年を目途として標準的な新築住宅のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)化を目指すこととしています。
(なお、完全義務化の達成年度は、閣議決定においては2020年としていますが、これについてはまだ法律に定められておらず、あくまでも目標年度となっています)

2 建築環境部会の取組み『 感境建築を目指して !!』
(ここちよいと 感じる建築の ものさし さがし)
林 秀彦

 上記の『 感境建築 』という言葉は、建築環境部会の勉強会の会話の中でつくられた造語です。 心地よいと感じる境目を“環”ではなく『 感 』でとらえようという意図です。
 人間の快適性に影響を与える大きな要素は6つ(気温・湿度・気流・放射・着衣量・活動量)あります。 その他に空気の環境、光、音響、色彩、香り、臭い、振動や地盤の状況などがあります。それらは、 基本的に数値で表す事が可能ですが、人が感じる快適さ、不快感はひとそれぞれです。 今後、2020年すべての建築物の省エネ基準適合義務化に向けて、定量的な数値で示すことが求められています。 計算ソフトなどにより与えられた数値に納まるように書類を作成すれば良いのでしょうが、その導き出された数値で、 本当に快適な建築環境が構築されているのか判断がしにくいのではないかと思います。 数値は指標の一つに過ぎないので、それぞれの環境に住む人々、作業する人々の体感という部分についても、 新しい指標があるべきではないでしょうか。今後地球環境、自然環境、地域環境の中で人の五感や感情を大切にして 建築設計に携わって行きたいと考えています。 上記テーマに向けて、私たち建築環境部会では、2013年4月から、環境要素の基本を知るための勉強会を毎月1回テーマを決めて行いました。 一年目は基礎編ということで「日本の気候と世界の住まいの概要」・「環境配慮型建築のデザインの概要」・ 「環境に関して取り扱われている指標や数値の概要」のおさらいを一年かけて勉強しました。二年目には部会員が各自テーマを決めて 講師役を務め発表するという形態で勉強会を行いました。1回目から順に列記すると、 「気流・換気・風速」・「結露」・「熱1,2」・「不快1,2」・「気候」・「光」・「音」とういう各分野で専門がそれぞれいる 大変な内容に各自取り組みました。それと並行して、年に三回ほどの講習会には下記に記しますが、各々の分野で著名な先生に来て頂きました。
平成25年3月6日 「優良なストックを残すには?」講師:野池 政宏氏
平成25年12月14日 「パッシブデザインのすすめ」講師:小玉 祐一郎氏
平成26年3月29日 「エクセルギーで読み解くパッシブデザイン」 講師:宿谷 昌則氏
平成26年7月12日 「住まいの建築設備に求められるもの」講師:山田 浩幸氏
平成26年10月4日 「バウビオロギー〜人と環境をつなぐ住まいづくり〜」講師:石川 恒夫氏
平成26年11月15日「LCCM住宅とこれからの住宅環境」講師:小泉 雅生氏
平成27年2月14日 「エクセルギーハウス勉強会」講師:黒岩 哲彦氏

 私共の勉強し知識を得たいことと、これから建築のあるべき姿を創造するには、やはり第一線で活躍されている人の話が身近に聞けるのはとても励みになりますし、勉強になります。  本年度の活動については、続けて部会員が講師役で各自興味あるテーマで月1回の勉強会を継続して行っています。 また、講習会については、2020年すべての建築物の省エネ基準適合義務に向けて、第一弾の法律施行が今年の7月初旬にありました。 建築環境部会でも第一回目の講習会は、タイムリーに、新法の実務に携われた国交省の宮森氏をお迎えして7月11日に講習会を開くことが出来ました。100名を超える参加者にも恵まれ、意味のある講習会になったと思います。

 第二回目の講習会は、10月3日に辻充孝氏をお迎えして、「温熱環境の基礎 〜断熱と日射熱取得〜」という表題で、温熱計算の実務的な講習会を実施しました。
第三回目は来年平成28年1月23日に「最高の断熱エコ住宅をつくる方法」の著者でもある、西方里見氏をお迎えして建物実例や 施工方法など実践的なお話が聞けるような講習会にしようと考えております。 建築環境部会も勉強会を始めてから今年で3年目になります。 徐々にではありますが、勉強会に参加してその後部会員となるという流れで人も増えてきています。 人数が増えれば活動の幅も増えていくと思いますので、今後が楽しみであるとともに、建築に対する想いや、 温熱環境に対する考え方など知識の共有が出来る部会になってきていると感じています。 今後の部会活動としては、外皮計算や、一次エネルギー消費量などの計算結果を正しく 考察出来る知識と、いままでの部会活動をもとにした提案力の強化だと認識しています。数値のスペック争いなどによる無駄な コストアップはあってはならないと思います。 それと並行して、考えなければならないのが、建物の外部の環境です。 内部と外部の環境を合わせて整える事が大切と考えております。その為の一環として、野毛周辺の夏と冬の街歩きや、川崎の日本民家園の建物の環境調査など、この一年半の期間で、部会員により調査活動を行っています。まだ調査した結果について発表出来る成果物はまとまっておりませんが、なるべく早くまとめたいと考えています。  今後も建築業界には、空き家の問題や建物の維持管理など多くの事柄がありますが、 色々な観点から環境を考えて私達で出来る事をコツコツやって、学んだ事を一般の人々、共に働く技術者の人々に広めていけたら 良いと思っております。

3 住宅省エネ化のメリットとは

(1)建物と居住者の健康を守る
 住宅の省エネ化を進めるポイントは、建物の断熱性能と日射遮蔽性能、すなわち外皮性能を上げることが一番です。 この外皮性能についてわが国の地域区分に応じて8区分の外皮基準値を設けています。横浜市周辺(地域区分:6)の場合、 その基準値は外皮平均熱貫流率(UA:建物から逃げ出す熱の上限値)が0.87(W/(㎡・K))、 冷房期の平均日射熱取得率(ηA:建物に入り込む日射熱の上限値)が2.8%となっています。 外皮性能を高めることは、①冷暖房エネルギーの削減のほか、暖房していない部屋に入ったときに生じるヒートショックの 防止などの②室内の温熱環境の改善、カビやダニの発生の原因にもなる③結露の抑制など、建物と居住者双方の健康を守ることに大きく貢献します。
(2)様々な優遇制度を使う
 省エネ基準に適合した住宅には、税制優遇措置などを受けられるメリットがあります。 低炭素建築物(住宅)や長期優良住宅認定を受けると住宅ローン減税やさまざまな税の優遇措置のほか、 フラット35Sなどの一定期間ローン金利引き下げがあります。 また、横浜市ではCASBEE横浜(横浜市建築物環境配慮制度)を利用すると、住宅ローンの金利優遇が受けることができます。 このほか、低炭素建築物(住宅)では一定の容積率の緩和措置があるなど、住宅の省エネ化を進めることは、居住者や建築物の健康によし、 住宅取得費用の圧縮によし、地球温暖化防止によしの「三方よし」と言えるでしょう。
 この特集が、建築士会会員のみなさんにこれらの制度をうまく活用しながら住宅の省エネ化を進めていただき、 暮らしやすく快適な住まいを実現していくきっかけとなれば幸いです。

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建築士のための「IT活用術」~青年委員会の実例から~
青年委員長 奈良直史

クラウドとは?
 インターネット上では近年「クラウド」という言葉がよく使われる。そもそもクラウドとは雲(=cloud)を意味するが、雲や雲形定規が流行っているわけではない。 端的に述べれば自身の使うデータを自分のパソコンや携帯端末などではなく、 インターネット上に保存する使い方であり、それをサービスにしたものを指す。 インターネット上に保存されることから、自宅や会社、ネットカフェ、学校、図書館、外出先など、 さまざまな環境のパソコンや携帯電話(スマートフォン等)からでもデータを閲覧、 編集することができるところに大きなメリットがある。インターネット上にデータが保存されていることから、 複数のユーザーが常に最新のデータ環境で利用することも可能である。

なぜ今クラウドなのか?
 これまでPC上のデータはフロッピー、CD、最近ではUSBメモリ等、メディア上に保存をして持ち運びをしてきた。 データをやりとりするにあってはメール送信をしてメディアに保存したり、企業等においては社内LANを構築するなどをしたりして、 そのやりとりを行ってきた。一般に「建築」というプロジェクトは単一の人間ではなく複数人でプロジェクトを進められる。故に、設計図データなどをメディアでやりとりをしている段階では図面、計算書等の「真の最新データ」がどこにあるのか解らないはずであり、設計図書のリビジョン管理を徹底しなければ、 変更点が現場に活かされなかった、設計者が変更を知らなかったという事もあったはずである。 故に、コンピューター社会の到来はペーパーレス社会の到来と言われつつも、紙至上主義が依然としてまかり通っていたのである。 こうした問題を解決した「クラウド」は通信回線がある限り、 1人のユーザーはどこでも閲覧、編集が、或いは、1つのCADデータを登録された複数のユーザーが閲覧、 編集でき、企業においても、一から社内LANを構築するよりは安価であるため、導入が急速に進んでいる。
なお、私がお預かりしている青年委員会でも正副委員長間のデータはすべてクラウド化しており、 データをメディアでやりとりする事は一切無くなっている。

誰でも出来るクラウド
クラウドは通信ネットワーク会社が有償で提供するもの、或いは無償で提供するもののいずれかであり、 無償サービスに「Dropbox」「Sky Drive」「Google Drive」などが挙げられる(下表参照)。
ここでは無料容量の大きさやスマートフォンとの連携を踏まえ、Google Driveを紹介する。

サービス名

Dropbox

SkyDrive

GoogleDrive

提供元

Dropbox、Inc.

Microsoft

Google

無料容量

2GB

7GB

15GB

容量追加サービス

あり

あり

あり

アップロード上限

10GB

2GB

10GB

かつてGoogleは優れた検索サイトであったが、現在はメール(Gmail)、スケジュール管理、クラウド(Google Drive)と多岐に亘っている。
特筆すべきは携帯電話に搭載されているAndroidもGoogleが開発しており、一定の互換性がある。 Android携帯を取得する際Gmailアカウントを取得する理由はここにある。

せっかく持ったGoogleアカウントを上手に使う
 GoogleサービスとAndroid携帯を同期させることで、例えば「カレンダー」は携帯アプリの「ジョルテ」等と互換し、 GmailはPC、Android携帯それぞれからアクセスし、常に共有される。 例えば、固定メールアドレスを取得している場合、サーバー設定やoutlookでのGmailへの転送設定を行っておけば届いたメールを 外出先で閲覧することは可能である。
またクラウドは「Google Drive」はWindows XP/7/8のほか、 Mac OS X、iPhoneなどのiOS端末、Android OS搭載端末で利用できる。 これらのプラットフォームにはGoogle Drive用のクライアントアプリが無償で用意されており、 インストールするとGoogle Driveに保存されたファイルとの同期(アップロード、ダウンロード) ファイルの閲覧・編集などができるようになる。Googleドライブとの同期用フォルダにファイルを保存すれば、 クライアントアプリによって自動的にすぐGoogle Driveと同期される。
 

 このフォルダは、エクスプローラを含むWindowsアプリからは普通のフォルダと同様に扱える。 ファイルやフォルダのコピー、移動、削除、上書き修正など、通常のフォルダと何ら変わることなく操作できる。他の端末で操作されたファイルについては、同期完了すると自動的にエクスプローラに現れ、操作ができるようになる。 いったん同期が完了すれば、Google Driveとの接続が切れてもファイルの操作が可能である。  Google Driveと同期されるファイルには、同期済みかどうかを示すマークがエクスプローラーのアイコン上に付加されるので、 一目で同期の状況を把握できる。

真価は共有化から
 WEB上のGoogle Driveより、同一動作条件を持つ人同士の共有関係が構築できる。つまり自身のフォルダと共有先のフォルダの均一化であり、先述した「真の最新データ」がそこに存在することになるのである。 青年委員会ではこの機能を使い、会議資料、イベント時の準備ファイル、パワーポイント等を正副委員長間で閲覧、編集できる環境を置いている。このことで正副委員長の意思疎通に寄与し、また、準備作業等ではワークシェアリングが実現し、委員会活動の負担軽減に寄与している。最後に、便利な機能でも、注意すべきことがある。本文の通り「同期」が済んで「真の最新データ」となるので、同一ファイルを複数人が同時に編集することはできない。また、業務利用の場合、設計図を思った以上に携帯で閲覧することが多い。ついては、図面等のデータは、別途、閲覧用PDFファイルとして作成しておくべきだろう。 更には、有償、無償に関係なく、ネット回線を使う以上、ログインIDとパスワードが一致すれば侵入という方法は可能である。この点について利用者が認識し、対策を施す必要がある。   (おわり)

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支部・委員会活動報告

青年委員会だより

 ・・・建築士試験は平成21年から試験制度が変わり、従来のようなパズル的なものや、丸暗記ではなく、例えば全体面積と要求室のみが指定され、個々の室面積は自身で考える(そしてその理由も記述する)という方法になっており、受験生は自らのスケール感を持って取り組む必要性が生じています。 ・・・青年委員会では会員増強事業の一環として2012年から受験生向けの勉強会に取り組んでいます。自身の受験経験をお伝えし、受験生とのコミュニケーションの中から、新たな建築士会の仲間を増やしています。

二級建築士試験受験者向けRC勉強会

 二級建築士試験は、大学卒業後2年の実務経験で受験が可能であり、また建築学科を卒業していない受験生には建築士への 登竜門としての試験です。経験が浅かったり、或いは経験に偏りがあったりする受験生に向け、 模型などを通じて実体的な構造体のイメージを持って頂けるようにしています。 最近の二級の試験では3年おきにRC造の課題が出題されており、昨年は木造模型を、今年はRC模型を製作いたしました。
木造でもRCでも同じですが、試験というプレッシャーの場面では思いもよらない計画をしてしまうことがあります。 私たちも単に模型を作るというよりは、構造体の模型に平面図を重ねることで、階段やエレベーター、 貫通孔などを実際の建物をイメージしながら理解してもらうように心がけています。

一級建築士試験受験者向け施設見学会

 今年の課題である「市街地に建つデイサービス付き高齢者住宅」にちなみ、 戸塚区の「ほほえみの郷・東戸塚」様のご協力をもって、受験生60名が施設を見学しました。 当日は青年委員長の奈良より、実際の試験の方法や、問題文の読み方などのレクチャーを、松井直美さん(技術支援委員会・福祉部会)にも ご協力頂き、機械浴の使われ方や、デイサービスの基準、計画上の勘所について説明頂きました。 受験生からは作図速度や方法、試験での適用法令など、見学会終了後も一時間程度質疑が続き、熱気にあふれました。
 私たち青年委員はこうした見学会の開催に関して、準備時間を通じ、施設運営者の皆様から、実際の施設の使い勝手や、 今年の場合では「サ高住」制度についての「現場の声」をお伺いすることで、 自身の自己研鑽にもつなげています。(報告:青年委員長・奈良直史)

<青年委員会の思い出募集> 
神奈川県建築士会・青年委員会は来年60周年を迎えます! 青年委員会は1956年に設置され、来年、2016年に60周年を迎えます。 60周年を迎えるにあたり、これまでの活動履歴を振り返りたく思いますので、 青年委員会OBの皆様で、当時の活動記録(会議資料、写真など)などをお持ちの皆様、是非とも青年委員会へお寄せ下さい。
担当:奈良/事務局・工藤あて

相模原支部

交流会 ~夏恒例のバーベキュー大会~
相模原支部 山口 義弘

 相模原支部恒例行事、バーベキュー大会が今年も夏真っ盛りの8月22日(土曜日)のAM10:40より、相模川沿い、 小倉橋近くの上大島キャンプ場にて行われました。今年の参加者は、36名でした。 内訳は、相模原支部(会員家族含む)が15名、他支部と一般の方が21名でした。 特に今回は神奈川県内にある全9支部からの参加があり、また子供たちも駆けつけてくれました。
来年も開催予定です。ご参加お待ちしております。

横浜支部

『美術館建築シリーズ~国立西洋美術館』
ル・コルビュジェ設計の日本唯一の建物 (世界遺産推薦決定)
横浜支部 石井 新一

 ル・コルビュジェが日本に残した唯一の建築作品《国立西洋美術館本館》の見学会が10月1日に行われました。
説明は国立西洋美術館総務課/専門職員の福田 京 氏で、特に本館の50年間にも及ぶ改修履歴、 2度にわたる増築、耐震改修等多岐に渡りました。その中で、ル・コルビュジェの建築的思想、 渦巻き状に建築を拡張できる無限発展美術館が見えて来た気がします。見学は特に耐震改修の地下免震装置部分、 日本初の免震レトロフィット(現存する歴史的・文化的価値ある建物の免震装置)と呼ばれる手法を採用してオリジナルデザインの継承に勉めた事、 建築的思想を極力損なう事無く行われた改修、すべて建築作品の継承につながる事と思いました。 自由見学になり、改めて本館スロープ・ホール(通称19世紀ホール)に立つと真北を向いた3角の天窓から降り注ぐ日の光、 モジュロールで計算されたのびやかな空間、ほっとして緊張感から解放される不思議な感じがします。 増築・改修を繰り返しながらも美しい外観を保っています。ただ、一番美しいはずの西側外観が大きくなりすぎた植栽に邪魔されて 建物がみえづらくなっている事がとても残念でした。今回の見学を終えて感じたことは思想を変えない普段からの地道な保守・管理が有り、 継承される未来があるのだと思いました。この努力によりル・コルビュジェ建築作品群の一つとして必ず世界遺産登録は実現するでしょう。 

川崎支部

~残暑払い 「おちゃにおちゃけ」~
川崎支部  岩田 崇

 本年4月より縁がありまして、建築士会川崎支部に入会致しました岩田と申します。 まだ組織のいろはも良く理解しておりませんが、この度、9月4日に行われました残暑払いの様子をご報告させて頂きます。 今回の残暑払いは、タイトル通りお酒を飲む前に「お茶会」が設けてありました。 一見すると敷居が高そうな茶道の世界を「嗜み(たしなみ)」と捉え、会員の方々に体験して頂こうという企画ですが、 お母上が茶道の先生をしておられ、自らもその茶室を設計された経験をもつ上原役員のご厚意とご指導の下で実現されました。 会場となった上原氏の御実家は、独立して間もない頃、あらゆる資料を参考にして設計をまとめられたとのこと。 住宅の一角がお母上の上原先生率いる上原社中の稽古場なのですが、露地とそれに連続して三畳の小間が、狭小空間の中にしっかりと設えてあり、 設計当時の情熱と研究をされたエネルギーが凝縮されており、見ていて大変刺激を受けました。
広間でお茶を頂く前には、上原氏より設計当時の思い出を交えて解説をして頂きました。 日常生活においてはあまり縁のない茶室設計の経験談は、大変興味深いものでした。 お茶会の後は、場所を移しての「おちゃけ」お酒を通した親睦の場となりました。 残念ながら「おちゃ」は欠席となった金子支部長も駆けつけてくださり、文字通り会員同士の親睦を深める楽しい語らいの場になりました。 40代半ばにして建築士会の一員となりましたが、このような企画に参加出来ましたこと大変嬉しく思っております。 今後私のような中年の新会員が増えて行くことを願ってやみません。

横須賀支部

~建築・フラワー合同展とよこすか産業まつり~
横須賀支部  加藤 雄治

 今年で58回目を迎える横須賀市民文化祭。
横須賀支部では横須賀文化協会の会員として、フラワーデザイン同好会と合同で「建築・フラワー合同展」を 横須賀市文化会館3階市民ギャラリーで、11月6日より10日までの5日間、開催致します。 今回のテーマは近代日本のルーツは横須賀にあり!~横須賀製鉄所創設150周年~ と題し、 建築士の視点から掘り下げる横須賀製鉄所に関するパネル展示、支部会員が製作した 横須賀製鉄所副首長官舎『ティボティエ邸』の復原軸組模型展示や建築展に併せて2年に一度訪問している、 東日本大震災被災地(宮城県)現地報告特別パネル展をはじめ、横須賀市立万代会館のパネル展、 支部会員による絵画などの展示をおこなう予定です。その他にも横須賀市や協力団体、協力会社などにより数多くの展示をおこないます。
また毎年事務所協会横須賀支部、ミーズ設計まつり”が11/7(土)8(日)の2日間、三笠公園で催され、 士会活動のPR、ポップコーンの無料配布などをおこないます。このイベントは横須賀市内各産業の企業・ 団体が集結し、サービスなどのPR・販売がおこなわれます。海の幸や山の幸をはじめ、地元のおいしいものがいっぱいです。 イベント企画が盛りだくさんなので、併せて訪れてみてはいかがでしょうか?

◆女性委員会◆

祝!女性委員会記念誌発行
女性委員会広報担当  清水 麻紀

 ■女性委員会発足20周年を記念した冊子を8月1日に発刊いたしました。 発行部数は予算と調整しながらですが、OGの方々を始め、ゆかりのある方々を中心に女性委員会と共にイベントを 開催する時などで配布を予定しています。女性委員会がどういう人々で構成されているか、どういったことを 行なってきたか知っていただける冊子となっています。編集長の番場さんを中心に一昨年から委員会が総力を上げて 取り組んで来た記念誌は委員会活動の一環でもありました。20周年記念誌に興味のある方は(特に女性の方は大歓迎です。) イベントのときに声をかけていただけると冊子をお分けすることができます。事務局にも数部を置いて、閲覧・配布できるようにしますので、 ぜひご覧になっていただきたいです。
■全国女性建築士連合協議会への参加
9月25日26日に第25回全建女が開催されました。 レポートと詳細はWESニュースに掲載しています。神奈川からは15名参加し、また関東ブロック協議会にて、 委員長代理として新副委員長の茶谷さんと横山さんが出席しました。
■女性委員会の近況報告
11月委員会にて税理士勉強会を予定しています。 委員メンバー内で2名結婚しました。おめでとう。 委員長が産休でしたが、無事にお子様が誕生しました。めでたいことが続いております。以上でした。

◆CPD専攻委員会◆

専攻建築士制度H27年度登録申請始まります
CPD専攻建築士制度委員会 三宅 信夫

 専攻建築士制度
■平成27年度の専攻建築士の登録更新が始まります。
【スケジュール】 10月中に、登録更新の対象者へ案内送付
※申請時期の変更のために、延長証(2016年3月31日まで)が、該当する専攻建築士の方へ送られてきます。
11月末から、Web での新規申請・登録更新が可能となります。
来年1月から、窓口での受付を開始します。
3月審査評議会にて承認予定。承認後、新しい専攻建築士証が送付されます。
【登録更新に係る費用】
手数料(カード、バッチ、消費税別)

領域数

1領域

2領域

3領域

会員

書類申請

12,000円

14,000円

16,000円

WEB申請

9,000円(会員外利用不可)

会員以外

27,000円

29,000円

31,000円

■専攻建築士アクションプラン検討中
現在連合会では、専攻建築士の普及を進めるための「アクションプラン」を鋭意作成中です。
■「PUBDIS」に採用されました。
専攻建築士は、平成27年5月29日(一社)公共建築協会の公共建築設計者情報システム(PUBDIS)に 建築士の上位資格として採用されました。
 CPD制度
■CPD単位取得について
CPD単位が付与される講習会へは、CPDカードをお持ちください。 講習会会場で、講習会終了後CPD登録ができます。なお、カードリーダーの設置がある会場では カードをタッチしてください。設置のない会場では、出席者リスト等へ氏名、番号を記入してください。

技術支援委員会

◆委員長から一言◆ (村島 正章)

 今年も各部会の講習会・研修会に毎月参加しています。 どのテーマも実用的で業務として大変参考になるものばかりで とても有意義な時間が過ごせました。まだだという方はこの秋からの講習会に是非参加してみて下さい。

■木造塾部会 (角 栄子)

 木造塾部会では、今年度「木構造、防耐火、住宅史」という3つのテーマで講習会・ 見学会を実施いたします。まずは10月28日(水)に第1回木造塾として群馬県前橋市にあります「臨江閣」 の見学会を行いました。こちらはNHK大河ドラマ花燃ゆの舞台ともなっておりますが、 明治17年に群馬県令・楫取素彦や市内の有志の協力で迎賓館として建てられました。 今回はその別館(明治43年築)の耐震改修設計をされた山辺豊彦さんに同行頂き建物を見学しました。 昨年度の木造塾にて限界耐力計算の講義の際、実例として紹介された建物です。 昨年の講義に参加された方はもちろん、参加されなかった方も実際の建物を見ながら説明を 聞き限界耐力計算について理解が深められる機会となったと考えています。

 次に11月28日(土)に第2回木造塾を開催いたします。 同封の掲示板やチラシでもご案内しておりますが、「ひろがる、木造建築。~防耐火技術からみる 木造建築の新たな可能性と今後の展望~」と題しまして、防耐火の専門家で木造塾ではおなじみの安井昇さんに お話を伺います。こちらは横浜市と共催で講習会を企画・運営しております。今年6月施行の改正基準法により3階建ての学校等が木造で建築可能となりましたが、 この改正に至るまでの実大火災実験などで安井先生が中心的な役割を果たしてこられましたので、 改正までの経緯からこの改正でどのような事が可能になったのか、また更にこの後に予定されている 告示の情報についてもその進捗状況、課題などについてお話しいただける予定です。 中大規模建築を対象とした内容と捉えられがちですが、戸建て住宅など比較的小規模の建築を主に 業務に取り組まれている建築士の方も、改正により益々複雑に見える基準法・施行令・告示を 理解する機会としてご参加いただければと思います。

■福祉部会  (熊澤 徹)

 平成27年度は、3年に一度の介護報酬・基準改定の年です。 また、昨年6月に成立した改正介護保険法も27年4月から順次施行されています。 福祉部会は今年度「介護保険再入門」をテーマに活動をしており、 9月5日(土)に第1回目の研修会<初めての方にも分かりやすい「介護保険制度」>を開催しました。 会場が満員になるほどの御参加を頂いたことは、このテーマに対する関心の多さが伺えるものと感じました。
第1回研修会に参加して  (渡邉 靖)
 介護保険制度は、来るべき高齢化社会に向け2000年に施行された厚生労働省所管の社会保険制度で、 高齢者の介護サービスの一部を国費(税金)で賄い、高齢者の自立した生活を積極的に支援する事を目的としている。 福祉部会の今年度第1回の研修会、<初めての方にも分かりやすい「介護保険制度」>は、 講師に公益社団法人かながわ福祉サービス振興会 理事長 瀬戸 恒彦氏を招聘し、三部構成に分けて 介護保険制度の基本的な概要から今日の運用実態まで詳しくご説明頂いた。 介護保険制度は2000年の施行から早や15年が経過し、社会に根付いた感はあるものの、 この制度は時勢に合わせ3年毎に改正を繰り返すため、介護職に従事する管理者であっても制度の全容を把握 しきれていない実態がある。このため介護の世界では門外漢である建築士がこの制度を理解するのは容易でない。 しかしながら、介護保険制度の片鱗を知ることにより、今日の社会が抱える少子高齢化 という重大な社会問題を垣間見ることが出来、実務のみならず家族が介護保険制度を利用するような身体状況 となった場合でも、焦らず対応出来るというメリットがある。その意味でも今回のセミナーは分かりやすく、 参加した建築士にとっても大変有益であったと思う。

「神奈川県内市町村の耐震診断
・改修等補助一覧(27年度版)」の
作成について
委員長 村島 正章

 いつもは部会活動報告冒頭の“委員長から一言”の数行フレーズだけですが、 この号では本委員会でこの度取りまとめ、ホームページ(以下「HP」)にアップされた、 略称「耐震診断・改修等補助一覧」作成のいきさつなどを紹介します。
◇委員会の歴史◇
  ここで、まず、本委員会の歴史を振り返りたいと思います。本委員会は平成15年度に士会全体の委員会の見直しの中で、 旧住まいまちづくり委員会を継承する形で新たに誕生しました。旧委員会では副委員長であったということから力不足でしたが、 私が最初の委員長に推挙され、同時に理事選にも立候補して、以来理事兼委員長として委員会の運営に関わり、気がつけば7期目13年目を迎えました。 既に部会として活動していたスクランブル調査隊、建築環境部会と女性委員会のもとで活動していた子どもの生活環境部会を下支えすること、 併せて部会と各支部の共催企画の支援などを主な事業として開始しました。

 その後、福祉部会が誕生するのですが、女性委員会からの移行が スムーズにいくのか、活動内容、予算等どうするのかということを総務企画委員会の中に小委員会を設けて1年間検討した結果、 漸く船出することになりました。一方で、様々な職種に従事している会員の作品・研究提案を展示、紹介していくエキシビジョン部会は3年間活動しましたが、 残念ながら活動が停滞してしまい解散となり暫く4部会で定着していました。その後、22年度からは景観法に基づく景観整備機構の指定を目指して景観部会が誕生し、24年度には建築環境部会から独立する形で 準備部会を経て木造塾部会が誕生して一時期6部会になりました。25年2月には念願としていた景観整備機構の指定を川崎市から受けたことから、 景観整備機構委員会が新たに設置され、そちらにスクランブル調査隊と景観部会を移行して、 現在4部会でそれぞれの特色を生かした活動で新たな会員の獲得にも寄与しています。
◇委員会として何かできないか◇
  部会活動は活発に行われてきていましたが、委員会そのものとして士会全体への貢献はどうなのかということです。25年度末に本委員会として何か士会の事業としてできることはないかと意見交換を行った結果、県内の耐震取組情報発信はどうだろうかとの意見が出されました。市町村によってはHPで紹介しているところがあるものの最新情報更新や全市町村に対応しているものがない、また、耐震診断相談会などで、診断や補強に対する助成の有無、市町村の窓口、税制上の優遇など、多岐にわたる内容を他の市町村のことも含めて尋ねられることもある。 市町村全体を見渡せる一覧があれば会員のみならず県民にも便利ではないかということで、26年度の事業目標としました。全市町村の助成や税軽減に係る窓口の情報を集めるのはかなり大変ではないかとの意見を踏まえ、できることからやってみようということで出発しました。 委員会の委員は各支部から1名ずつ選出してもらっていることから、所属支部の所管の市町村を委員ごとに調査することから始めました。
◇一覧作成には予想以上の手間と労力が◇
 いざ蓋を開けてみると市町村ごとに要件が微妙に異なることはもちろん、省エネ、バリアフリー、リフォーム、融資利子補給などメニューも多岐にわたり、どう整理してよいかが悩みとなりました。その課題を現在副委員長の大谷委員が全市町村を一覧とした巨大な表のたたき台を作成していただいたことで、取りまとめのスタイルが確立しました。 今回の公表にあたって、この下敷きがなければ途中で断念していたのではないかと思います。彼の貢献に感謝します。そうして、26年度作業を進め、理事会にHP上で公表することの承認も得ましたが、既に助成を終了している市町村もあったことから27年度の前半での公開を目指して、改めて委員が分担して作業を進めました。各要件の内容確認で済むかと思っていたところ、緊急輸送路沿いの沿道建築物・特定建築物や大規模建築物への助成も新たに追加されていたこともあり、ますます表が巨大化しました。そして、最終段階に入り、各市町村担当課あて最終確認を依頼したところ、想定した以上に訂正等の意見が多く、再見直しの結果漸く公開の運びとなりました。特に小田原地方支部管内は10市町もあり、全ての窓口に直接足を運んで情報を仕入れていただいた芝委員の努力には頭が下がる思いです。こうした各委員の努力なしには成立しなかった一覧表ですが、まとめるにあたり、各委員からは、内容のボリュームが大きく、複数の市町村で担当窓口も多数に分かれていて、日常業務がある中で、相当厳しかった。 特に来年度以降、毎年度の更新作業をどうするのか、同様の作業では負担が大きすぎるとの意見があり、今後の課題となっています。
◇意見を寄せてください◇
 とにもかくにも情報広報委員会から士会HPのトップに載せていただき、一覧表の中のそれぞれのURLをクリックすれば、直接、市町村の当該事業のHPに直接飛ぶことになっているため、内容確認が容易にできることがメリットです。会員の皆さんにおかれましては、今後、是非活用していただき、 こうしたらもっと良くなる、こういう情報もほしいといった声を寄せていただき、更なる充実をめざして行きたいと思います。

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