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桜の開花と共に新しい年度を迎えました。 昨年の5月に会長に就任して以来一年を経過したことになります。会員の皆様をはじめとして、 関係各位の建築士会へのご協力にあらためて感謝を申し上げます。 この1年を振り返ってみますと当然のことながら建築界のみならず社会の激動、激変に驚かされ、 次代への対応の難しさを痛感します。「時は待つことなく新しい変化へ向かう」とは英国の某学者の言葉ですが 人間に出来ることの限界を感じます。就任以各支部の総会や各委員会の会合等へ極力参加させて頂きその活動の実態に触れる努力をしました。各支部が地域で関連団体との連携により幅広い活動をされていることを実感しました。しかし残念ながら活動に参加する会員が少ない、若い会員が少ないことが気掛かりです。 私達、県建築士会の会員は公称3,000人と言われますが、実態はそれを下回ると予測されます。会費値上げでご負担をお掛けしましたが、士会活動を行える原資は会費収入です。諸先輩からリタイアを契機に退会するとのお声を耳にしますが、長きにわたって士会会員で有り続け、その存在を後継者に伝えて行くためにも是非とも会員を継続して頂きたいとの思いで一杯です。
今年は東日本大震災から5年目の年でした。あの時、巨大地震と大津波の姿をライブで目の当たりにし、 人智の及び得ない大きな力を感じ、建築の力の限界を痛感しました。多くの建築家が復興支援やまちづくりに 積極的に参画しましたが地域行政や社会からの評価は低かったようです。法規制や枠組みを越え築き上げるべき 姿を社会に提示出来なかった専門家としての反省が大切です。折しも4月14日、熊本で震度7の大きな地震が起こり、 余震が続いています。災害対策への備え、協力体制の整備等の重要性を再認識しました。 3月6日相模原支部創立50周年のお祝いに出席させて頂きました。地域社会と連携しての更なる活動が期待されます。2月28日は建築士合格者のお祝いの会で、一人一人の合格者に免許証明書をお渡しする事ができたことは大変嬉しいことでした。新たに合格した建築士が、専門家としての倫理を守り、技術の研鑽を怠らず、品位を保ち、業務を通じ地域社会への貢献を行なうことを願っております。建築士会に入会され士会の会員である事を誇りに思い社会から信頼される専門家としてそれぞれの分野で力を発揮してください。 東京オリンピック関連の施設計画のデザインビルドが話題になっています。横浜の新市庁舎についてもデザインビルドで施工者が決定されました。建築家槇文彦氏を設計監修者とした竹中工務店のグループが施工しますが、横浜市型のデザインビルドとしてより良い方法となるよう、設計者が設計についてのデザインレビューを市民に向けて行うことになりました。JIA、建築学会と共に建築士会も主催者として加わり、市民のためのより良い市役所が出来るよう協力をして行きたいと考えております。 建築士会は市民へタイムリーに情報発信を行い社会との接点を大切にします。また、近現代の建築遺産、モダニズム建築の保全活用への積極的な活動をします。さらに神奈川が開港の都市である事を再認識し、オリンピックやインバウンドの増加への対応を検討し、各国の建築家との交流、新たな業務チャンスの創出等を探って行きたいと考えております。
相模原支部は、昭和40年7月に、当時「社団法人 神奈川県建築士会県北支部」として設立されました。
平成19年に、県北支部の区域(旧相模原市と津久井郡)が全て相模原市に合併したことをきっかけに、「相模原支部」に改名をして、現在に至ります。
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平成28年(2016年)3月6日(日)午後1時30分より、相模原支部50周年記念式典が行われました。
会場は、3年前(平成25年)の3月にオープンした複合施設「bono(ボーノ)相模大野」
のサウスモール3階にあります、「ユニコムプラザさがみはら」でした。
式には、御来賓としまして相模原市長 加山 俊夫様、神奈川県建築士会会長 金子 修司様、
神奈川県建築士事務所協会 相模原支部長 永田 健治様、特定非営利活動法人 建築文化研究会 理事長 石井 明様が
お祝いに駆けつけて下さいました。
また、相模原市設計協同組合代表理事の西倉 哲夫様より、祝電を頂戴しました。
また、加藤 清横須賀支部長、澤田 晃一中支部長、猪俣 正雄小田原地方支部長、金子 成司川崎支部長、原 昌吾県央支部長、春日 勇湘南支部長、山成 芳直横浜支部長、小川 嘉一県庁職域支部長もお祝いに駆けつけて下さいました。
サプライズとしまして、昭和40年の創立メンバーの一員でもあります佐藤 清一氏(94)もお越し下さり、会場は大いに盛り上がりました。
参加者は、合計66名でした。
式では、この相模原支部に多大なる貢献をされました石井 明氏、曽根 勝氏、田中 太氏の3名を表彰しました。
式の後半は、基調講演が行われました。相模原市都市建設局まちづくり計画部より、森 晃氏、武田 弘氏、栄 宏海氏の3名、相模原商工会議所 都市産業研究会より中嶋 幸夫氏をお招きし、「さがみはら」について熱く語って頂きました。
最後は参加者による記念撮影が行われ、記念式典は無事終了しました。
式典終了後は懇親会が行われ、終始和やかな雰囲気の中、出席者の懇親を深めることができました。
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現役の支部長並びに副支部長から、「相模原支部創立50周年」として寄稿して頂きました。
平成 28 年 3 月 6 日(日)相模原支部創立 50 周年記念式典を無事に開催することができました。
相模原支部役員の皆様、ご出席していただいた方々に心から感謝を申し上げます。特に各支部長のお声掛けで本会の理事の方、各支部の会員の方が多く出席していただき盛り上げていただきました。
式典では設立メンバーの佐藤清一様が 94 歳というご高齢に関わらず出席していただき、サプライズでスピーチまでしていただきました。記念講演では、「相模原市のまちづくり」と称して、行政がとらえるまちづくり、相模原市商工会議所 都市産業研究会から民間がとらえるまちづくりと立場が異なる観点から講演していただき同じまちづくりでも違いがどのように出てくるのか、一つの試みとして講演を企画いたしました。今後とも、建築士会が魅力ある団体であるようみんなで歩んでいきたいと願っています。
50 周年を迎えて、「 50 年の歩み」のパワーポイントを作成しながら、一番思い出に残ったものは、耐震技術者委員会を立ち上げた事でした。『誰がやっても同じ成果と結果になる』を信念に、最初は、個々であった人間関係をつなげる事に、私なりにも努力と工夫をしたつもりです。その中の 1 つのイベントが支部の事業に変わり、今もバーベキュー大会として継続しています。今は、耐震から離れ、年を重ねた私は、福祉の世界に、もっと建築士が関われるよう模索しています。かつての耐震技術者委員会のような委員会を立ち上げる事ができるのであれば、また、年収下がっても良いかなっと思える程、建築士会を通しての繋がりは、心地よく、人生を豊かにしてくれました。多くの相模原支部の皆様にも参加して頂きたいと思っています。今回の 50 周年式典には、本会からも多くの方々に参加頂き、まるで、成人式を親戚の皆さんに祝って貰っているようなほのぼのとする会でした。
ご参加頂いた皆様、役員以外にもたくさんお手伝い頂いた皆様、今回は、欠席ですが、と、コメントを寄せてくださった支部の皆様、ありがとうございました。これからもどうぞ、宜しくお願いいたします。
支部創立 50 周年を迎え、歩みを振り返ると先輩方々の様々な活動を通して市民や各関係団体との交流を深めてこられたことを改めて感謝いたします。相模原支部では、平成 16 年 7 月に木造住宅の耐震診断と補強方法が改訂されたことから翌年に会員を募り耐震技術者委員会を設立いたしました。建築士会の強みでもある様々な業種を生かし、建築士として建築材料の知識の普及および調査研究の目的を持ち『市民の貴重な生命、財産を守る』という使命感のもとに行政と他団体の協力を頂きながら減災へ向けて一歩ずつ耐震化に取り組み災害に強い安全なまちづくりに参加し続けたいと思っております。旧耐震建物から学び業務に生かす委員会ヘのご参加をお待ちしております。
式典には来賓をはじめ、各支部長及び多くの会員の皆様に参加を賜り誠にありがとうございました。また、支部役員の方々には企画から当日の準備までご協力いただき、感謝いたします。私は、平成 8 年に当時県北支部の支部長から役員の推薦を受け、今年で 21 年目を迎えました。式典では感謝状をいただくことができました。これは、周りの方々のご指導ご協力の賜物だと思い、感謝申し上げます。式典の基調講演では相模原市都市建設局まちづくり計画部部長より『相模原市のまちづくり』と題して、相模原駅北口の相模原補給廠一部返還におけるまちづくりと、リニア中央新幹線の駅となる橋本駅周辺のまちづくりについて講演が有り、相模原商工会議所の都市産業研究会で活躍されている建築士でもある中嶋氏からは『民間がとらえた相模原市の展望』について講演をいただきました。 20 年以上前になりますが、当時の都市計画部長より、補給廠一部返還の話を聞いたことが有ります。都市計画には長い年月がかかることを実感しました。これからは官民が一体となって協力し合い、スピードのある都市計画を行っていただきたいと思います。相模原支部は 60 周年に向けて一歩踏み出しました。これから一緒に会を盛り上げて頂ける方を募集しています。役員をやってみたいと思われる方は是非事務局までご連絡を頂けると幸いです。
県央支部は大和市・厚木市など5市1町村と広範囲にまたがっており自然豊かな地域、都会的センスを醸し出す地域と色々な表情の街が有ります。会員の交流を兼ね其々の街を皆さんに知って頂きたいと感じ、街歩きを始める事に致しました。最初の街は大和市とし、基本移動は歩きだけで考え白井晟一建物を中心に考え中央林間エリアを選びました。当日1月19日は快晴で街歩き日和、初めに多胡三代治寄贈による茶室、書院造りの「慈緑庵」銅板一文字葺きの建物です、説明を受け心穏やかなひと時を過ごす事が出来ました。 次は徒歩5分程で白井晟一の遺作住宅「けいかの家」で木造平屋建て瓦棒葺きである。外部面に木材を豪快に使い大胆に見せ、それでいて繊細さが感じられ、見ていても飽きないのは何に惹かれているのだろうか。白井住宅を後にして徒歩で最後の建物は住民、事業者、行政を交え良き街づくりをめざし30数回の話合い、そして7つのプランが作られ2年余りの歳月を要して完成しました集合住宅セ・パルレ中央林間です。 日頃街づくりに携わり本物件に関わりました建築家の高橋国彦氏による説明を頂き感謝をし散会。懇親会は講師を交え建築談義で楽しいひと時を過ごさせて頂きました。参加されました14名の皆様に感謝です。次回は厚木編です。
講演会「しまなみ海道 地方再生の試み」
~自転車による町おこし、
サイクルスタンドデザインの先に見たもの~
湘南支部では毎年1月に会員間の交流を目的に、新年交流会を行なっています。
今年は1月29日(金)に藤沢商工会館にて開催しました。第一部では鎌倉在住の会員馬場俊一氏を講師に迎え、しまなみ海道の紹介とサイクルスタンドのコンペについて講演していただきました。今治と尾道を結ぶしまなみ海道サイクリングの楽しさが伝わってきました。
第二部では美味しい料理と飲み物で話もはずみ、新入会員の紹介や情報交換で盛り上がりました。
公開講座「日本の木の家に住みたい」
2月13日(土)、鎌倉文学館講座室にて、当支部役員でもある梅澤典雄氏より伝統木構造について伺いました。講師のユニークな語り口に引き込まれ、継手と仕口については木組みの模型で説明があり、建築士と市民が一緒に日本の木を使った家造りについて考える機会となりました。参加者は33名で部屋はいっぱいになりました。
終了後は前田侯爵別邸だった文学館館内を見学し、由比ガ浜通りをまち歩きしながら建物探訪し、懇親会場へ向かったのでした。
藤沢市辻堂太平台の閑静な住宅地の一画、約一千坪と思われる若干の起状を有する緑豊かなL字型の敷地に、長い延べ段の先に瀟洒な「大門」が見える。
門を入ると主屋「滴水庵」の他、強い施主好みの4.5帖の寄付+2階建て住居棟、高床式の「不動堂」、元隠居所の草庵「寸松庵」、移築されたミニ「三重塔」、「待合」2棟、腰掛付きの「裏門」の9つの建物が散在する。庭園には湧水池、池に掛る木橋、石橋、石灯篭、石塔などが配される。多くの建造物は繁茂した植栽の中に見え隠れする。
平成27年11月、「大門」、「主屋」、「待合」の3件が文化庁より「造形の規範となるもの」として登録有形文化財の答申を受けた。
滴水庵創設者の高橋繁は鵠沼海岸にて月山堂を営む表具師であって、別荘として滴水庵を設ける。
主屋「滴水庵」は元京洛にあった数寄屋造りの「紫明庵」、大正初期に増田鈍翁の鵠沼別邸に移築され、
鈍翁没後に仲介者を経て高橋繁が貰い受け、解体後10年程保管されて、
昭和35年頃当地に移築した。それに前後して移築、新築を重ねて各建屋や庭の充実を図る。
一個人による建物群と庭園は親族に継承されて、お茶席や懐石料亭として活用されている。
建物概要
■主屋「滴水庵」:床面積77㎡、昭和35年頃移築される。
平屋建て宝形、入母屋複合屋根、和瓦桟葺き、下屋銅板葺き、外壁は押縁下見板、主室は床の間付き8帖広間書院茶室、
南西2面に手摺を廻らした畳敷き入側(広縁)、3畳台目茶室、玄関、取次、水屋、便所を有した数寄屋造りである。広間の天井高さが下げられた痕跡が残るが、さすがに鈍翁の目に適った建物らしく、
手技豊かな品格高い造りである。目立たぬが、広間の面皮付き長押は入隅で成や木目までが見事に揃い、
釘隠しや建具引手等はさり気なく、各所の建具も姿が好い。
■「滴水庵茶室」:
付帯する茶室部は突き上げ天窓付き入母屋造り、銅板一文字葺き、腰杉皮葺き、外壁土壁、内壁聚楽塗り、
前室付3帖台目造り、貴人口を持ち、品の良い銘木や竹が用いられ、色紙窓付きの明るい茶室である。
藤沢市の依頼により、平成23年5月、7月にスクランブル調査隊員、よこはま洋館付き住宅を考える会(YYJK)会員、
他延べ30名の総動員にて実測現況調査2回を実施し報告書をまとめた。
※次回は他建屋を紹介します。
(スクランブル調査隊 越智 英夫)
女性委員会は3月19日(土) JR 橋本駅のソレイユさがみにて~防災・減災について考えよう~ 「避難所運営ゲーム HUG 」を開催致しました。 今回が第3回目ですが、女性委員会、防災委員会の恒例コラボイベントとして、 横浜、横須賀の沿岸地域に続き「内陸型災害シミュレーション」という事で、相模原の特性を考慮した開催となりました。 相模原開催の特色としては、さがみはら防災スクールを受講した「防災士」の称号を持つ「さがみはら防災マイスター」の中から 講師の方を派遣していただき、 HUG ゲームに講評を頂いた事にあります。 H ( hinanjyo 避難所) U ( unei 運営) G ( game ゲーム)とそれぞれの頭文字を取った HUG ゲームとは、 運営側の立場で避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを避難所の体育館や教室に見立てた 平面図にどれだけ適切に配置できるか、そして避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験し、 避難所の運営方法について思いのままに意見を出し合い楽しく学ぶゲームです。 参加者は約6名で班を形成し運営方法を相談 しながら避難所の配置を組立てます。
ゲーム終了後には各班で作り上げた避難所の受け入れ対処時の考え方をそれぞれ発表します。自由に運営方法を組立てたわけですから、それがどの程度正しかったのか、また他の班に異なる意見がまとまっている場合、どちらの班の意見がより混乱を回避できると考えるべきなのか等、参加者はある程度の指針が知りたくなるものです。その指針を最後に講評として示してくださる避難所運営のスペシャリストとして、
相模原では「さがみはら防災マイスター」にお越しいただき、実際の混乱状況、想定しうる状況やより良い方針について
お話をいただくことができました。その他にも防災に関する実物資料や防災リュックの中身を展示し使い方の説明を頂いたり、実際の相模原市内の被害想定や、相模原市独自の防災カルテなどの紹介をしたりと、防災意識を高めるのに充実したワークショップになったと事と思います。ゲーム開催にあたり、女性委員会から4名で「チーム HUG 」を立ち上げました。その4名を中心に当日は多くの担当者が集結し、力を合わせ大盛況にイベントを執り行う事ができました。すでに3回目という事もありますが、
担当の皆様の手際の良さには感謝しております。また、参加者の皆様にも最後に片付けをお手伝いいただきとても助かりました。
本当にありがとうございます。今回「チームHUG」の中心となって、イベントの準備を進めて参りましたが、
いろいろな不安があった中、結果みなさまのおかげで最後には充実したセミナーとなり、
メンバーとしましてはこれほどの達成感があるのかと清々しい思いがしております。
次回第4回目は川崎での開催となります。川崎の皆様には是非ご参加いただければと思います。
◆3月2日スキルアップセミナーを開催
~「アスベスト含浸固化処理」によるアスベスト対策を学ぶ~
3月の定例委員会の時間をすこし早めまして、講師として株式会社エコ・24の宮崎氏をお招きし、セミナーを開催しました。まず、アスベストを取り巻く法整備についてと、そして技術提案、最終目的は安全な建物を後世に残すという充実した内容でした。
アスベストの問題は以前より落ち着いたように感じていましたが使用禁止は2006年からであり、
今でもアスベストが使用されている建物は多くあります。さらに2014年に石綿障害予防規制が施行され、
発注者の責任が重大となりました。アスベスト無害化処理工法は含浸固化剤をアスベストに吹付け、
アスベストを非針状化にして人体への影響ない状態にする工法です。建築士は発注者に説明責任を果たすと
同時に安全な建物を提供し、人々が安心して過ごせる場所を提供することが最も重要なことだと痛感しました。
日々情報が進化する中でこれからも安全な建物提供のための知識を身につけていきます。
青年委員会では2月28日、建築士試験合格者セミナー「けんちくラーニングのススメ」と称し、平成27年度の建築士試験合格者を対象とした講習会と、建築士免許証明書交付式を開催しました(神奈川建設会館2階講堂)。
免許証明書交付式は今年で3回目となりますが、今年は過去最多となる約100名の参加がありました。免許証明書授与式では、本会・金子修司会長からお一人ずつ免許証を手渡しました。
第1部として「今さら聞けない確認申請講座」、第2部として「知っておきたい・プレゼン極意塾」、第3部として免許証明書交付式・祝賀会を実施しました。
第1部では、一般財団法人神奈川県建築安全協会の伊藤智夫様と金直樹様から、
それぞれ意匠・構造に関する建築確認申請上の基礎的な事項を解説いただきました。地域特有の建築規制や最近の
法改正の動向なども踏まえながら、建築士として知っておく必要のある法令や必要な手続きについてお話をいただきました。
第2部では、当委員会の委員長である奈良直史から、「何気ない会話から、演説、プレゼン、社長の訓話。私たちの自己表現のすべては『何らかの意図性』が含まれています。自分の言いたいことをきちんと組み立て、その表現の仕方に工夫して、自らトレーニングしないと…」など、建築士として身につけておくべき、プレゼンテーションの力、
そのために普段から気をつけておかなければならないこと、などの話がありました。参加者の皆様からは「建築士としてその名に負けぬよう建築士会に入会して自己研鑽に努めたい」「実践的な内容で明日からの仕事に活かしたい」などの声が寄せられ、今日から建築士となられる参加者の皆様の熱気を感じ取る会となりました。
(報告:青年委員・伊東良平)
27 年度末の講習・見学会の紹介です。体験型講習会で大変参考になりました。
28 年度は参加費を少し上げざるを得ない状況ですが、各部会ともこれまで以上に実りある企画で皆さんの参加をお待ちしています。
平成28年3月12日、藤沢市民会館にて開催された研修会~訪問看護師に学ぶ住宅改修のヒント~ 「介護保険特定疾病の基礎知識」に参加してきました。 講師は訪問看護ステーション管理者であり現役看護師の鈴木多加子先生のお話でした。 研修会では、なかなか馴染み辛い介護保険制度や介護保険が摘要になる特定疾病の基礎知識について、先生ご自身のご家族の看取経験やリアルな日常介護のお話も交えながら解りやすく解説していただいた後、参加者のひとりひとりが実際の動作を体験しながら人間工学に基づく住宅設計の注意すべきポイントを教えていただきました。 昨今、要介護率が高くなる75歳以上の領域に団塊世代の方々が突入する2025年以降は入居施設の絶対供給数が不足し介護難民が出てくると問題視されています。
その為、私達建築士はケアマネージャーや地域の方達と連携して要介護者が在宅介護で少しでも自立した生活を送れるようサポートしなければならない…。頭では理解していたつもりでいましたが、私自身突然母の介護が始まるまでは暖気に構えていました。実際の介護生活は想像以上に重労働な上、介護が必要になってからの住宅改修では待ったナシの状態です。やはり日頃の情報収集がいかに大切かと身に染みて感じました。 恐らく誰もが人としての尊厳をもって人生の最期を迎えたいと思っているはずです。 大切な人を介護難民にさせない為にも、元気なうちに日常会話の中で 「その人にとって適切な医療が守られるべき死に方の希望」を確認しておくことの大切さを説かれていた 鈴木先生の言葉がとても印象的でした。
「数寄屋と茶室-『数寄』の空間と技術」をテーマに講習会と見学会の連続講座を実施いたしました。講師は東海大学教授で住宅史がご専門の小沢朝江さん。
講習会は2月6日(土) 波止場会館において実施、参加55名。見学会は2月27日(土)鎌倉長谷にある旧山本条太郎邸を特別に見せて頂き、参加32名でした。
講習会は、まず「数寄」という言葉が何を指し、その意味はどう変化していったのかという話から始まりました。茶室の形成過程、茶室のつくり、名匠たちの茶の湯の特徴、「数寄」と「わび」の結びつき、また「草」のつくりと「行」のつくり、そして「綺麗さび」など、明快にテンポよく進むお話の中で、数寄屋と茶室を理解する言葉や概念とその空間について、沢山のキーワードとポイントを大きく位置付けて頂いたように感じられました。
そして日を改めて鎌倉長谷で見学会を行いましたが、規模も大きくまた京都から材料を運び入れ作られた立派な建物には、
書院造と数寄屋造りの2つの座敷と、広間と小間の2つの茶室があり、それぞれを対比して見ることでより
一層理解を深めることができました。おそらく一つ一つの数寄屋にはここにしかない特徴もありそこにまさに
作者の考えが表れているのだと実感することができました。講師のお人柄もあり大変楽しく有意義な勉強会となりました。
木造塾部会では今年度も講習会や見学会を年間3回企画していく予定です。どうぞご参加ください。
最近のヘリテージマネージャー関係の活動についてお伝えします。平成27年度は、以前お話しましたとおり、残り数単位で修了できる受講生に向けた補講講座、そして、参加者を受講生や建築士に限定しない一般向けのオープン講座を実施しました。これらは、士会単独主催としては初めての開催です。補講講座及びオープン講座は、計9日間、計14コマ、計23.5時間を実施しました。講座の開催方法については、ビデオ講義、外部講師ではなく修了生による講義、修了生の活動拠点(間門の家、蔵まえギャラリー)での講義など様々な方法を工夫して実施しました。結果、8人の新規修了生が誕生しました。
また、修了生組織であるヘリマネ協議会改め「かながわヘリテージマネージャー協会」の立ち上げについては、平成28年3月5日に発足会が開催され、正式設立に向けてスタートが切られました。士会のヘリマネ活動が他の団体(ヘリマネ協会、県など)と連携しながら、さらに活性化するよう取り組みを継続していきます。
平成 27 年度のヘリマネオープン講座は、横浜市中区の「間門の家」で行いました。 この家は昭和 10 年築で繊細な書院や欄間が美しい純和風住宅です。中央の 10+8+8 畳の便利な続き間と、 雁型の縁側に囲まれた日当たりのよい6畳がとても気持ちよい建物です。 講座は、日本民家再生協会、常任理事の矢野和代さんにお願いしました。 この建物は、相談を受けた矢野さんがじっくりと時間をかけ所有者と信頼関係を築き建物の維持・活用を任され成功した例です。 現在は基本的に盆栽の専門家が借りており、最もたいへんな庭の維持をしながら、 カフェや落語、蓄音機でのレコード鑑賞など、様々な芸術活動などに活用しています。 当日は 1 月末の寒い日でしたが、 20 数名の参加者があり活気あふれる講習となりました。 また講習後は同じ部屋で椅子とテーブルをセットし、美味しい懐石をいただき和室のすばらしさを実感しました。
蔵まえギャラリーは、旧藤沢宿の江の島参りで栄えた「蔵前」と呼ばれた通り沿いにあります。かつては米問屋等が立ち並ぶ通りでしたが、歴史的建造物としては袖蔵を持つこの建物だけが残り、さりげなく人目を惹く存在になっています。現在は、一階の土間と座敷を使って展示や講座が行われ、袖蔵でイベントを行ったり、 2 階は各種教室として利用されたりしています。今回、この場所でギャラリーを営む佐野さんに 10 年前の開設当初からの経緯を伺いました。場との出会いから、周到に準備してきた計画を変化させつつこの建物と付き合っていくことの困難と醍醐味をユーモアを交えて語ってくださり、質問や笑いの絶えない講座となりました。その後は、異業種の方が集う楽しい酒宴が催され、夜の建物の雰囲気も堪能できました。 歴史的建造物は、かつては当たり前のものだったものが、記憶の中の失われた文化を現在の生活に映し出すことで個性を放っています。蔵まえギャラリーもその建物の魅力によって、人を惹きつけ、集まる場となり、希薄になりがちなつながりを回復する場にもなっているようです。
開催日時 平成 28 年 2 月 13 日(土) 2 時半より
参加者数 30 名(建築士 15 名 一般 15 名)
厳しい寒さが続く中、 2 月 11 日は天候に恵まれ、
箱根登山鉄道の中から見える景色を楽しみながら箱根に向かいました。この日会場となった『富士屋ホテル』は多くの
観光客で賑わい、和やかな雰囲気で見学会がスタートしました。歴史を紐解く解説により、創業者の山口仙之助氏は、
当時の時代背景から国際観光の重要性を感じ、東京・横浜からも近い箱根こそが、
最もおもてなしに相応しい場所との思いからこのホテルを創建し、その後関東大震災により被害を受けた後も再建・発展され、
今日まで引き継がれて来た事を知りました。例えば、メインダイニングの天井に描かれた高山植物等や、
壁に彫刻された十二支や様々なスポーツ、柱の下部に彫られた真っ黒な顔(このホテルを引き継いだ正造氏の顔)など、
ホテルの至る所にまで、創設者の思いが今も息づいている様に感じられました。
海外の要人はもとより著名な人々が宿泊された当時の様子や記録も大切に残されており、何度でも訪れたいと思う見学会でした。
又昨年の箱根の火山活動の概要と防災対策についての研修会も行われ、
『菊華荘』での食事会、箱根のガイドやこの日の資料、記念品等盛り沢山で、大変充実した見学会でした。
歴史のある建築物が、人々と共に生きながら残されていることの大切さも改めて感じながら、
箱根の素晴らしさを再認識しました。これを機に、他支部のイベントに積極的に参加し交流を深めながら、
神奈川県建築士会の会員として、もっと神奈川の事を知り、他県や子供たちに伝えていく活動が出来たらと思います。
主催者の皆様、有難うございました。
平成28年2月11日(建国記念日)、天気の良い日に、福利厚生委員会の「今の箱根をたずねよう!(富士屋ホテル等の見学)」に参加してきました。募集55名を大きく超えて58名の参加希望があり、自分もキャンセル待ちでしたが、担当委員の方の計らいで参加希望者全員の参加が叶いました。 恥ずかしながら初めて訪れた富士屋ホテルの建物には、“洋風モダン”の中に、確かに“和”が取り入れられている部分を随所に発見できたり、本館以外にも、食堂棟、西洋館、花御殿・・・とホテル解説者の方の上手な説明もあって、短い間に富士屋ホテルを堪能出来ました。また、贅と技巧、そして職人の技を十分に凝らした、素晴しい建物でしたが、それだけではありません。その中に、訪れた人を“もてなす心”を直に肌で感じることが出来ました。
そして、食堂棟のトーテムポールや舞台、西洋館のチャップリンルーム、カスケードルームは、かつての華やかりし時代を想像するだけで楽しくなってきました。また、当日一番の撮影チャンスは、当時訪れた、フランク・ロイド・ライトの宿帳のサインだったかもしれません。(笑) 最新の建築を見て、今の時代を学ぶのも大事ですが、歴史ある近代建築を改めて訪ね、長い年月人々に愛され使われて来た建物の今を、再確認し、“良い建物”の今あるべき姿を見る事の大切さを痛感しました。 最後に、集合前少し早く着いたので、喫茶室によって頂いたコーヒーは格別でした。 また個人的にも必ず訪ねたいなと思いつつ、名残惜しく富士屋ホテルを後にしました。
今年の建築コンクール見学会は、3月24日、参加者24名で開催され、
「わかたけの杜」「港北幼稚園」「MUFGグローバルラーニングセンター」の3施設を見学しました。
天候には恵まれませんでしたが、大変充実した一日だったと思います。
~<高齢者>と<子供>と<大企業>~
「わかたけの杜」では広大な敷地と緑を利用した高齢者住宅としてのゆとりを、「港北幼稚園」では子供の遊び場の自由を、「MUFGグローバルラーニングセンター」では社員教育の新しいありかたを、建物と一緒に見学させていただきました。
~既成の概念や合理性を覆して~
高齢者住宅なら、駅からも近く病院も近くにある
マンションタイプが一般的で合理的である。
また幼稚園は危険な遊び方は園児にはさせない、
ケガをしたら困るから。しかしここは違う。
そこには明確で強い建築主の意思が表現されていました。
社員教育の研修の場には何が必要か、大企業が社員に求める、今までとは違う期待が感じられます。
~建築主と設計者~
それぞれの見学先では、施設の責任者と設計のご担当者がそろって説明をしてくれました。
そこで働く職員の方々や先生方も温かく我々を迎え入れてくれました。
建築主と設計者の、希望、提案、イメージが一体となり作り上げられた建築は、空間の豊かさを充分に見せてくれました。
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普段では見られない建物の内部までも見学できるのが、この建築コンクール見学会の最大の魅力です。
見学会の開催にあたってご協力をいただいた各施設、各設計ご担当者様には、心より感謝申しあげます。