WES News 33 2003年 3月

*** ごあいさつ ***

委員長・大川友理枝

この3月で平成14年度の活動を無事終わる事ができました。かなりの過密スケジュールでしたが、 皆様の頑張りとご協力を頂いたおかげです。有難うございました。 今年は分科会の数も増え、各部会が企画した勉強会への男性会員の参加が増えてきています。 委員の皆さんの努力により、委員会としての基礎固めが出来てきたように思われます。 委員会設立当初は、家庭・仕事、さまざまな制約の中にいる女性会員の社会参加の窓口として、又、情報収集・自己研鑽の場と認識して、 活動して参りました。 私は委員長を務める事で、神奈川県だけでなく関ブロ会議や全建女の委員長会議に出席して、 北海道から沖縄まで日本各地における女性委員会の活動の情報を聞く機会がありました。活動の範囲に、まだまだ温度差はありますが、 女性委員会は女性会員の大切な活動の場になっています。そして、その活動が女性委員会内にとどまらず、士会へ・地域へと広がって来ています。 是非皆さんも委員会の中に自分の居場所を探してみてください。 さて、来年度からは、私に替わりまして、浅見美穂さんに委員長を引き継ぎます。私同様に皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

第14回・女性建築士との集い

~あなたがつくる課外授業~

~あなたがつくる課外授業~ 今年の集いは、平成15年2月15日(土)かながわ県民センターにおいて、とても楽しいアクティブな建築家・山口明宏氏の講演で始まりました。 「子どもとつくるまちづくり」と題して、ご自身が実践されている「子どものためのまちづくりスクール」や小学校での住環境授業など、 VTRをまじえてお話いただきました。後半は「子どもたちが住空間や家族を考えるきっかけになる学習プログラムづくり」 をテーマにワークショップを行いました。

ワークショップでは・・・・
子どもの生活環境分科会

ワークショップ参加者は全部で24人。前半の講師をしていただいた山口さんも参加してくださり、4つのグループに分かれました。 それぞれのグループ内で自己紹介の後、いよいよワ-クショップの始まりです。まずは「こども達に伝えたいこと」  「建築士として日頃考えていること」「こどもと一緒に考えたいこと」などをひとりひとり付箋に書いて模造紙に貼っていきました。 出揃った所でみんなで眺めてアレコレ言いながら何となくカテゴリーにまとめて方向付けをして行きます。 まったくまとまりのなかった意見の集合体も不思議とある方向が決まるとどんどんふくらんで、おもしろいアイデアも飛び出して来ました。 お茶とお菓子でホッと一息いれながら、和気あいあいの雰囲気もスムーズな議論の助けになり、「あなたのつくる課外授業」 を実現させていくためのアプローチ方法を検討する頃にはそれぞれのグループの中は大盛り上がりとなっていきました。 再度、ひとりひとり付箋に方法や具体的進め方を書き入れ模造紙に貼って話しあい、まとめていきました。 最後にそれぞれのグループの発表をお互いに聞いて、様々な展開に驚いたり感心したりしながらワークショップは終了しました。(関口佐代子)

福 祉 部 会
バリアーフリー住宅研究会

第5回勉強会「住宅改造の実際(改造事例から)」

シルバーリフォーム相談員でもある今井さん、玉野さんに相談に行かれている地域の事例を、また今回初めて、 実務でリフォームを直接されている、バリアフリー住宅研究会の勉強会にも、参加していただいていた、 男性会員の高橋さんの3人に介護保険を利用した住宅改修の事例をOHPで紹介していただき、熱のこもった質疑応答となりました。 今井さんの事例は50歳にして車椅子生活になったご主人を、奥様が一人で介護できるようにする戸建のリフォーム事例で、 特に段差のある道路からのアプローチ、それに続く居間から広がるウッドデッキ、取り合いの細かな工夫など、参考になりました。 相談員の存在が不可欠であることを感じた勉強会でした。(雨森 隆子)

第6回勉強会「住宅改造ワークショップ」

今年度最後の勉強会は第1回~第5回の勉強会参加者を対象に行いました。福祉、医療関係からそれぞれ1名講師の方に、 アドバイザーとして参加していただいております。事例対象者は脳梗塞による左方麻痺の女性です。退院後は日中一人で過ごす事になるため 安全性と自立に配慮した住宅の1階部分と、外出のためのアプローチの改修を相談内容と仮定しています。 当日は土曜日の6時半からの始まりでしたので15名の参加者でした。限られた時間の中でしたが改修部分のみに終らず、 2名の講師のアドバイスを受けながら、サービスの利用、資金面の検討など密度の濃い勉強会 でした。勉強会の時間帯や内容の検討などを含めて、充実した会にする為にスタッフとしての参加者を募集中です。(菊地紀代子)

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地 域 相 談 研 究 会

地域相談を担当して・佐藤 里紗

茅ヶ崎の場合は社協ではなく、市高齢福祉課が窓口になって相談をしています。市民から相談があると、 高齢福祉課職員が事前に訪問して相談内容等を把握しておいてくれます。相談日は毎月第2、第4水曜日の午後で、当日は建築士、 理学療法士のほか相談対象者の住んでいる地域の在宅介護支援センター職員、ケースによっては担当しているケアマネージャーやヘルパーが 同席することもあります。かなり大勢で伺うので訪問先には申し訳ないのですが、必要な情報がその場でやりとりできるという利点があります。 また茅ヶ崎市では独自に昇降機の助成制度があり、階段昇降機をつけたり、寝室からデッキを設けて段差解消機で外部へ出るなどの改造事例も あります。

WESフォーラム

継続能力開発(CPD)制度及び
専攻建築士制度提言書(案)まとまる

平成14年10月22日に建築士制度検討会議が発足しました。それぞれの分野から16名の会員が参加し、提言案をまとめるための作業が、 短期間ではありましたが慎重になされ、平成15年3月11日提言案が決定しました。この提言案が3月26日の役員会で承認された後、 広く会員へのPR活動と、会員からの意見の把握が行なわれるものと思われます。CPD制度は、実務における能力開発が5年間70単位(年間14単位程度)と、 研修による能力開発が5年間180単位(年間36単位程度)となっています。先日行なわれた、建設大臣・神奈川県知事指定講習(平成17年廃止)は 12単位でした。専攻建築士制度については、CPD制度と両輪と位置付けられているようですが、まだ不透明感があるようです。本会としても、 これから更に時間を掛け充分に検討した上で、導入していく必要があるとしています。建築士の社会的責務を遂行するために、 こうした制度が設けられる事に、皆様はどのように思われますか。今後、支部説明会、アンケート調査が行なわれる予定ですので、 ぜひご意見をお寄せください。(田隝 裕美)

企 画 部 会
実践住まい塾 partⅡ エコハウス

エコハウス見学会・黒田 協子

2地球温暖化対策として環境共生住宅を考えると省エネに配慮され、周辺と調和し、住み手が健康で快適に生活が出来る様工夫された 住環境と理解している。昨年11月27日20名以上が現地集合で中林先生のご指導のもと、鶴見区駒岡の畑邸を見学させて頂いた。 敷地の南側の里山が自然のまま残る木造2階建て二世帯住宅。いろいろな環境共生配慮の試みが特徴的で白外壁が際立つお宅だった。 里山から眺める畑邸はまず母屋の屋根の太陽光発電パネル。太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し省エネ対策。 2階の全面開口と全面バルコニーには熱線反射ガラスの手摺。開放的で周辺との融合性を感じた。 別棟は「屋上緑化」でヒートアイランド現象の抑制に役立つと注目されている。実際屋根に上がってみると冬期なので土飛散ネットと 軽量土壌だけが目立ち、セダムの生育が今ひとつではあったがメンテナンスフリーにはならない事を理解した上での採用が望ましいと感じた。 日本の気候での「屋上緑化」と環境対策が研究途上という事を改めて感じた貴重な日だった。

実践住まい塾 partⅢ木構造
第1回勉強会・広岡 まり

1月17日(金)午後6時30分から、かながわ県民センターにおいて、「建築確認業務の現場から見た木造建築物の基礎知識」 ということで飯田正典氏を講師に迎えて勉強会を行いました。飯田さんは藤沢市建築指導課で建築主事をされています。 また神奈川県建築士会情報委員会の委員長でもあります。講義は近年の法改正の概要をはじめに、構造規定を中心に解説をいただきました。 中には、「木造の継手及び仕口の構造方法(告示1460号)」による仕口の検討を、各自で例題を実践する場面もあり、 私などは冷や汗の出る思いがいたしました。藤沢市では、こうした難しい構造を少しでも容易に理解し、具体の設計に活かせるよう、 ホームページによる解説も行っているということです。「建築物の構造、防火・避難の設計は、居住者の生命にかかわるため特に大切に 検討してほしい」とおっしゃっていたことが、心に残りました。

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歴史的木造建築見学会Ⅲ

ベーリックホール見学会

3月15日(土)午後、改修設計を担当した像建築設計事務所の方々のご案内で横浜・山手にあるベーリックホールを見学しました。 この建物は昭和5年(1930年)に建てられた、J.H.モーガンの代表的住宅作品です。木造2階建、地下RC1階、延床面積は653.93㎡、 外壁はモルタル鏝仕上げ洗い出し一部タイル貼、屋根は洋瓦葺で、昭和初期に流行したスパニッシュスタイルになっています。 この改修には三つのコンセプトがあり、1.創建時の姿にもどす 2.使える部材は全て再利用する 3.市民利用施設としての安全性(構造補強)を 確保する というものです。工事は文化財保存技術協会が監修したそうですが、保存と安全という相容れない要素を両立させるのはとても 大変なことだったようです。この建物に使われている材料は輸入材が多く、木材は主に米松、スチールサッシは米国製で、 一部をのぞいてほとんど再利用できたそうです。サッシの一部に鉛が使われている箇所があり、当初はステンドグラスだったことがうかがえます。 屋根瓦は1/3ほど取替え、創建時のものを南側に用いているそうです。構造補強は、構造用合板や金物等を使い、 新規に使われる材料には全て「平成13年改修」という焼印が押されています。壁、天井の左官仕上げは、職人さんの腕の見せどころで、 特に令息室の壁はフレスコ技法で仕上げられ、大変むずかしい仕事だったようです。やはり、伝統技法の継承は大切なことだと改めて感じました。(佐藤里紗)

あとがき

☆普段は当たり前のように思う平和の大切さを実感する昨今。 こうして新聞づくりができるのも平和ならでは
☆広報部会:江藤 佐藤よ 佐藤り 成田

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