WES News 36 2004年 3月
初の共催~士会活動交流会
~ 手 を つ な ご う 建 築 士 ~
平成16年1月31日(土) 横浜駅西口の県民センター1501号室において、女性委員会・青年委員会 初の共催で、士会活動交流会が開催されました。 第一部では武蔵工業大学 環境情報学部教授 宿谷昌則氏による講演で「住まいの環境と人の五感の問題」をテーマにお話していただきました。 第二部は活動報告会・懇親会として、建築士会の部会や分科会・支部など合わせて9つのグループがそれぞれの活動を発表しました。 各会のプレゼンテーションでは、活動状況がわかり易く紹介され、今まであまり周知されていなかった互いの活動を知ることで会は盛り上がり、 その熱気は懇親会まで続きました。
第一部 講演会
-この手応えを次につなげたい-
「士会活動交流会」に参加された方々、準備に携わってくださった方々、どうもありがとうございました。48名定員の部屋に、
56名の建築士の皆さんが一堂に会し、予想以上の盛況でした。用意した資料が足りなかったり、立ち見になってしまったり、熱気あふれる会場で、
飲み物を途中で補充するという事態にもなり、ご迷惑をおかけしたところもありますが、皆さんに楽しんでいただけたようで、ホッとしています。
女性委員会と青年委員会との初めての共催で行ったこの会のねらいとして
1.昨年まで続けてきた「女性建築士との集い」を更に拡げて、開かれたものにしていきたい
2.士会全体の活動を発表し合う場にして、お互いをもっと知り合いたい
3.新入会員や新規建築士登録の方も交えて、仲間を増やしたり交流していくきっかけにしたい
・・・等々あったのですが、概ね達成できたのではないかと思います。限られた時間の中で、全ての支部や部会が参加できたわけではなく、
発表も活動のさわりの部分しか拝見できなかったなど、反省点も多々あります。
この第一回の手応えを元に、来年、再来年と更に充実したものにしていき、年に一度の一大イベントとして定着させ、
若い力を引き出せる会にできれば、と願っています。(実行委員長 浅見美穂)
-宿谷先生からのメッセージ-
「ほど良さとはどれほどか」、「ほど良さがわかってそれを造り出すこと」専攻分野である建築環境学を宿谷先生は、 そうご説明されました。都市・住空間という人工環境は、巨大な自然環境である地球環境に内包され、一方、人という自然環境の存在を包み込む。 自然と自然の間にある人工環境、それが都市・住空間であること、そしてその都市・住空間を造り出すのが建築であるということ。 エネルギーや物質のもつ「資源性」と「消費」を捉える概念としての「エクセルギー」のお話。快適性は、 小さなエクセルギー消費によってこそ得られる」という「ヒトの身体に備わった自然」が教えてくれる事実は大変示唆的でした。 建築環境の「かたち(構造)」と「かた(機能)」は、ヒトの「かたち(構造)」と「かた(機能)」に作用し合うということ。 住まいの環境とヒトの五感を、もう一度見つめ直してみたいと思います。(実行副委員長 児玉達朗)
第二部 懇親会にて
部会活動応援ページ
子どもの生活環境部会
「子どもを取りまく環境について建築士の視点を生かして考えてみよう」私たちはそんな活動をしているグループです。
子どものいる人いない人、男の人女の人、年齢もいろいろ、立場もさまざま。だからこそできる多様な試みが子どもになくてはならない物だと
考えています。
昨年は川崎市の宮前市民館での「子どものための住まい設計ワークショップ」実施と考察、報告書作成が主な活動でしたが、
今後は地域・行政・学校などと広く連携していくことを目標に広報活動や企画書提出等を検討しています。子どもとのワークショップも「住ま
い」「まちづくり」「環境」「バリアフリー」「造形/デザイン」「歴史的建造物」など企画を広げていきたいと思っています。
ご連絡はメールで
kodomo@kanagawa-kentikusikai.com へ
建 築 環 境 部 会
建築が環境に及ぼす影響が大きくなってきた昨今、建築が環境とどう共生していくのか、環境に配慮した建築とはどういうものなのか―人が健康に暮らせる環境という観点から、建築が人にどのような影響を与えているのか、また、地球環境を保全する観点からエネルギー・資源・廃棄物などの面でどのような配慮が必要なのか―などを、研究や勉強会を通して、会員の役に立つ情報を提供したいと考えております。 これまで各支部・委員会などでそれぞれに取り組んできた調査研究を集結し、より多くの意見をいただき、より一層技術の研鑚に寄与することと 共に建築環境研究と会員のレベルアップを目指します。建築環境部会は今年度新しく発足した部会です。活動は、年間3~4回の講習会及び見学会を企画・運営する予定です。 また、講習会ではなるべく実習を取り入れ、実際にものや建築に触れることを重視していこうと考えています。ご連絡は士会事務局へ。
建築ネットワーク
住宅エキシビション2004
建築士が提案する幾数もの「住宅ストーリー」あなたの知らない新しい物語を探してください・5月22日~23日・
赤レンガ倉庫1号館2階A5月24日~1ヶ月間 横浜ホームコレクション・住まいの情報ステーション
《展示内容》
■住宅エキシビション部門
3つの敷地条件と3つの家族構成から各々1つの組合せを選び、建築士が独自のプレゼンテーションを行いました。作品はパネルや模型で展示しました。
■コンセプト部門
建築士の視点で「新しい住まい方への提案」です。住まい・暮らし・環境配慮・街並み・構造・企画等、学生スタッフの作品も併設して展示しました。
■こどもの考える家(写真展)
子どもの生活環境部会で行われた活動の写真展
詳しくは http://www.kanagawa-kentikusikai.com/
スクランブル調査隊
-県内の歴史的建造物の調査-
時を経た歴史的建築物には、伝統技術を伝えるたくさんの情報があります。それらは、国内各地から集めた数々の銘木の豊富なことや、 木材の特質を生かした使われ方などにも特徴があります。また、建具の見事な細工や美しさや、金属加工の技などにも高い技術力が表現され、 いずれもすばらしい趣向が見られます。 しかし、世代が代わるごとに敷地が分割され、解体される建物が続出するような状況が永い間続いています。 我々は、こうした「歴史的建築物」が解体される前に建物や敷地状況を調査し、記録すると共に、その地域の歴史を辿りながら学び研究して、 所有者が建物を保存する手法、活用する方法などを探り、地域のまちづくりに寄与することを目的としています。ご連絡は士会事務局へ。
バリアフリー住宅研究会
聞き上手になりましょう
菊地 紀代子
高齢者や障害者の方を対象にした住宅改修の方法を色々な角度から勉強してきました。平成12年に介護保険制度がスタートし、 その様な中で制度を利用した住宅改修等の勉強は勿論ですが、当事者、ご家族の考え方、思いを如何に上手に聞き出すかという 勉強会がありました。相談者に一方的に5分間話して頂くという事で、二人一組になりお互いに相談者と相談を受ける立場を体験しました。 自分の考えている主旨を相手に適確に伝える難しさと、話を聞いている内につい先走って話してしまう自分を痛感でき、 とても良い勉強会でした。住宅改修を行う中で「福祉・医療・建築のチームワークの大切さ」が言われています。限られた予算枠、 これからの生活設計、病気の事、さらに加齢による機能低下など様々な問題を含む中、相談者の要望に沿った提案をするには、 建築だけで解決はできず、住宅改修はその中の一つの手段です。提案図を作成するには他分野の専門家の知識をいただく必要があります。 折角頂いた知識を提案に生かすには、提案する側同士もお互いの話を上手に聞く必要があります。
盛況!実践すまい塾
木構造勉強会のようす・広岡 まり
今年度2年目となる木構造勉強会第1回は、「木造住宅の様々な構法について」国内外の様々な構法と構造的な特性等をOHPによる 画像で御紹介いただき、第2回は、「木造住宅の耐久設計について」腐朽菌やシロアリの被害の実態をスライドで御紹介いただくとともに、 それらを防ぐ設計のポイントについて御講義をいただきました。 昨年の第1回“木造三階建て住宅の構造計算など”、第2回“木造住宅における大空間の実例など”を含む計4回で、「木造住宅の構造」 については、多様な視点で勉強会を開催したつもりでいます。 今後は、これまでの勉強会で得た知識を、実際に設計業務へ反映させる際の共通の疑問点などに着目し、活用へ結びつける内容とするなど、 少しずつ、勉強会を充実させたいと思っています。
登録しましたか C P D制度
神奈川県建築士会では、平成15年からCPD制度がはじまりました。3月31日で平成15年のCPD参加登録及び、
収得単位の登録受付は終了しました。3月16日現在で約400名が参加登録されています。
平成16年の単位認定期間は平成16年1月1日から12月31日までで、収得単位登録受付は平成17年1月31日までです。(雨森 隆子)
あなたの実績をCPD(継続能力開発)制度で社会に示そう!
歴史的木造建築見学会Ⅳ
3/27国府津まち歩き
JR東海道線で横浜から40分ほどで国府津に着きます。今年は大正・昭和初期の面影が残る国府津のまち歩きと、 別荘地として栄えた国府津に残る諸戸別荘を見学しました。ご案内は、国府津地区国道1号線周辺まちなみ調査委員会委員の芝京子さんと 小田原ボランティアガイド協会の尾崎隆さん。国府津の商店街に残る木造建築の特徴は出桁造の和風建築、西洋的な石造風の看板建築 といわれるもの、そして旅館建築です。関東大震災後、数多く建てられたこれらの建物は今でも国府津のまちなみを形成しており、 地元を中心に専門家や学生がかかわって、保存と活用に向けて様々な試みがされています。 また、大正時代から別荘地として多くの文化人や財界人が国府津の海と山を楽しんだのですが、 残念ながら少しずつその姿を消しつつあります。(佐藤 里紗)
WESフォーラム
我が家の食事情・八重野みどり
仕事の予定が入り、夕方以降までかかる日が続く場合は、まずカレンダーに夕食のメニューをメモし、買い物とロ-テーションを考える。 たとえば牛丼・シチュー・豚汁・カレー。この辺は前日に作っておけるもので、朝作り子供に温めさせるのが肉野菜炒めや焼き魚。 夏休みなどは昼食用の焼きそばやチャーハンがこれに加わる。我が家は現在、月に40キロから50キロの米を消費している。肉や魚は1食で2パック使い、 買い物のときはブロッコリー2個・豆腐3丁と複数買う。外食はとても割に合わない。仕事の準備よりまずは食事の支度、 というのが強迫観念のように出かけるときの基本となって数年たつ。それ以前は食事時に不在というのは考えられなかったし、 もっと前は常に子供と体のどこかが触れ合っていたと思う。最近子供たちは自分で結構出来るようになってきた。 先日友人が出先から家に電話をしていて、最後に「お母さんの分は夕飯、いらないから。」と言っていた。 飯炊き女としての私の役割は、あと数年で一区切りというところだろうか。嬉しくもあり、寂しくもあり・・・。 しまった、まだ新しい炊飯器の使い方をダンナには教えてなかった。
あとがき
年度末振り返ると、毎年地道に勉強しているな~皆さん。今年度組織は変わりましたがWESはまだまだがんばります。YS