WES News 41 2006年 3月30日
第3回神奈川県建築士会活動交流会
~建築士と手をつなごう~
日時 平成18年1月28日(土)
場所 神奈川大学 「セレストホール」
主催 (社) 神奈川県建築士会女性委員会・青年委員会
交流会を終えて~女性委員長・雨森 隆子
約160名の方に参加していただき、盛況のもと無事終了いたしました。 一部は「感染するまちづくり」~まち・歴史・景観~という演題で (社)日本建築士会連合会会長 宮本忠長氏の講演、二部は建築士会活動報告、関ブロ山梨大会コンペ説明という内容で、 活動報告された5グループの中から湘南支部の「旧モーガン邸から始める景観まちづくり」が選出され関ブロ山梨大会へ参加致します。 各支部、会員の方々のご協力まことにありがとうございました。
手をつなぐ建築士~会 長・藤本 圭佑
かながわ県民サポートセンター・MM21ランドマークタワーそして三回目にあたる今回は、神奈川大学セレストホールでの“交流会”、 回を重ねる度に進化と発展をしています。私は、士会は会員にとって交流・情報・活動の拠点の場としてお役に立つことが出来ればと考えています。 とりわけ「交流」の分野では、九つの支部・各種委員会が核になって活発な働きをしていただいています。さらなる欲を言えば、 性別・年齢・専門を超えた幅広い伸びやかな交流、横断的なネットワークが出来ないものかと願っていました。それを現実にしたのが、 この青年・女性の枠をこえた活動“手をつなごう建築士”の集いです。 今回は、アカデミックな大学のキャンパスという背景のなかで、企画・演出ともに極めて優れたものであり、大なる満足を実感しました。
会場となった神奈川大学セレストホール
講演を聞いて~
振り返りながら、前を向いたまちづくり・田隝 裕美
小布施で私の頭にまず浮かぶのは、小布施堂の缶入栗羊羹と、栗鹿の子。羊羹の缶入には少し抵抗感はあるが、 栗鹿の子は理に適っていると感心し利用もしている。随分前に小布施のまちなみを見る機会がありましたが、 軒先を低く押さえた重厚な三州陶器瓦の屋根、建物内の美しい木組みは、今でも印象深く脳裏に焼付いています。 これまでも宮本先生のお話を聞いたり、本を通して修景の考え方を知る機会がありましたが、まちなみ形成のきっかけとなった 「北斎館」完成(’76)から30年経過した小布施のまちなみが、どのように変化したのか大きな期待を持ってお話を聞く事ができました。 1人の建築家が、マスタープランを持たないまちづくりに情熱と信念を持って取組んできた町並修景事業は、 事業者だけではなく地域の住民との話合いを大切にし、その積み重ねから得られた結果であることには、とても共感を持つことが出来ました。 今景観法が敷かれ、地域にある自然の活用、その地域の特徴を生かした美しいまちづくりが求められています。 その大切さを理解しあい確認していくためには、お互いの声や気持ちを伝え合うことのできる人口数と、面積だと思います。 コンパクトシティーこそが、住みやすく生き生きとした美しいまちを、持続可能にするのではないでしょうか。
全国女性建築士連絡協議会
「地域と共生する住環境づくり」
~身近な素材を未来へつなぐ~
上記のテーマで香川県高松市にて平成17年12月2日(金)、3日(土)全国の女性建築士277名が集まり開催されました。 初日は「全国部長(委員長)会議」の後開会式、「シンポジウム」、「懇親会」と続きました。総合司会は神奈川の大川友理枝さんでした。 2日目はA~Hの8分科会に分かれ活動報告があり熱のこもった討議がなされ、全体会にて各分科会の報告がありました。 午後からは民家の博物館「四国村」を見学しました。ハードで充実した楽しい2日間でした。(委員長:雨森隆子)
分科会の報告
A分科会 「素材の伝承」・永井 香織
本分科会では、素材というキーワードのもと、土塀などの施工の実施例に基づいた説明が行われた。その後、参加者の中で、 天然材料に関連した事例の紹介などが行われた。「素材」に興味を持った参加者同士の意見交換は、 地域による素材の特徴や使い方の違いをお互いに理解する良い機会となりました。また、天然材料に興味があるが、 使う機会がなかった人達が、他の参加者の具体的な事例を聞くことで、今後の参考になったかと思います。今回、始めて全建女に参加しました。 この大会は自己研鑽ができる素晴しい会だと思います。建築士は、様々な素材を状況に合わせて使いこなしていかなくてはなりません。 聴講するだけではなく、経験者との意見交換ができるこのような機会は貴重だと思いました。
D分科会 「建築物の再生利用」・桑田 由加子
今回初めて全建女に参加させていただきました。分科会では、栃木の「築30年の民家を福祉施設へ変身活用」で民家を増改築し デイサービスセンターへ、更に増改築してグループホームも併設した建物に関わった方の苦労話、 鹿児島の「建築士会と地域の交流を住まいるネットでつなぐ」では加世田市の武家屋敷町の中でも残り5軒ほどになってしまった古民家の1つ (築135年)を地元の職人集団ネットワークを使い再生し、見学会での住民や学生のコラボによる様々な活用によって、 地域が活性化し始め他古民家の再生話へも活動が広がってきている、との話をうかがいました。日本中のあちこちで成功例、 失敗例を耳にする機会がありますが、どちらもものすごくパワフルに活動され、地域に根付いていると感じました。
E分科会 「歴史的な建物とまちなみ」・佐藤 里紗
徳島県の田渕さんの司会で、まずは岡山県の山名さんから美作市林野地区と津山市城東地区で歴史的建物を生かして建築士と 住民の協働による「元気なまち」「防災のまち」をめざした取り組みが紹介されました。続いて栃木県の斎藤さんから 過疎化と高齢化が進む馬頭町で「ひとにやさしいまちづくり支援事業」に基づいて活動する中で活気のあるまちなみへ変身していく 姿が紹介されました。後半は参加者の意見交換へ移り歴史的景観を守るまちづくりに建築士がどう関われるか話し合いました。
F分科会 「子ども・住環境」・浅見 美穂
兵庫県の「子どもと家族の住まい方アンケート調査報告」、北海道の「女性建築士と考える”子どもをはぐくむ住まいづくり”」の発表に続いて、 神奈川からはここ2年間の活動展開を紹介しました。「とても精力的で忙しそう」「すごいパワフル」「子ども集めはどうしているのか」 「どのようにして学校での授業へ乗り込めたのか」などの感想や質問を受けました。高齢者の問題から子どもの環境へと発展させていった経過や、 企画提出から運営主体(市民館や学校など)との調整にはとても時間や労力をかけていること、個人情報の扱いやボランティア募集の際の気遣い等、 簡単に披露しました。毎回レベルアップしている神奈川の活動は、全国からも注目されています。
G分科会 「高齢社会」・大川 友理枝
今回はG分科会の司会を務めました。アシスタント雨森さんや皆さんのお陰で充実した内容になりました。
7府県28名の参加で北海道士会からは福祉保健・医療・行政・建築が連携をとりながら在宅生活を支援する「ジグ」
の活動の様子や住宅改造マニュアルⅡの発行の報告・大阪士会からは介護保険制度が介護予防重視型に改正される事を受け、
在宅での自立支援が強調されることを踏まえたホームヘルプの立場などからの実証を交えながらの活動について発表がありました。
神奈川士会からもまち協発行のシルバーリフォーム相談事業実施報告書(概要版)を配布してこれまでの福祉部会の高齢者の住宅改造相談事業への
取り組みを紹介しました。その他の県からも活動の様子を伺い、まだ活動を行っていない県も皆さんの意見を参考に活動を広げて行きたいという
意見を頂きました。
他の分科会
「減災のまちづくり」「健康住宅」「集まって住む」
WESフォーラム
初めての交流会~横須賀支部・杉田 姫美子
年も新たになりお屠蘇気分も抜けた1月28日のこの季節にしては珍しく暖かい土曜日、神奈川大学・セレストホールに於いて 「第3回神奈川県建築士会活動交流会」が行われました。私にとっては初めての交流会にスタッフという形で参加させていただき、 期待と緊張の中、眠れぬままに会場入りしました。 はじめに日本建築士会連合会・宮本会長のご挨拶と講演があり、引き続き各委員会・部会からの活動報告がありました。 宮本会長のお顔を拝見するのも初めてでしたが、当初抱いていたイメージとは違い、やさしい感じの中にも建築に対する強い信念と 情熱を持たれたお話に、会場の皆様も聞き入っておられる様子でした。 活動報告では、それぞれ発表された方々の「建築士」としての前向きな取り組みに私自身も同じ建築士として更に意識レベルの向上に 努めなければならないと改めて感じました。皆様方の発表された活動報告の中から選ばれた 湘南支部の「旧モーガン邸から始める景観まちづくり」が、6月に山梨県・河口湖で開催される「関ブロ・山梨大会」で発表されます。 来年は神奈川にて「関ブロ・神奈川大会」が開催されますので、私ども神奈川会スタッフ一同も一丸となって大会に臨みたいと 気を引き締めて準備にあたっております。また、「関ブロ・山梨大会」の模様はHP・会報等でご報告させて頂きますので会員の 皆様も是非楽しみにお待ちくださればと思っております。
黒一点・児玉 達朗
一昨年、昨年と全建女に連れて行って頂きました。初めて参加させて頂いた東京のときは、「男だから」と差別を受けるのではないかと びくびくしましたが、皆さんとても親切なので安心しました。二度目の高松でも皆さんにとても親切にして頂き、讃岐うどんを沢山頂きました。 なかなか男性がマイノリティになる機会が少ない業界ですので大変貴重な経験をさせて頂きました。全建女に集まる建築士は私以外全員が 女性でしたが皆さんとても熱心な方々で、「やっと高松に来たんだから」という想いがとても強く感じられました。 今年はまた東京で開催します。決して「男だから」と差別はされません。多様性:ダイバシティが注目を集めている今、 全建女に男性がもっと参加して、男性だって研鑚に努めましょう。
青 年 委 員 会 だ よ り №2
~ 関ブロ山梨大会参加要項 ~
日帰り参加出来ます!
2006年6月16(金) 河口湖 富士レークホテル
大会テーマ「ふれあい、かたらい、新たなあゆみ」
-富士のくに 建築コンベンション2006-
第一分科会にモーガン邸チーム参加決定!
関ブロ山梨大会第一分科会に、1月の活動交流会の発表で投票にて選ばれた湘南支部「旧モーガン邸から始める景観まちづくり」 が参加することになりました。
第二分科会 提案型コンペの進捗状況
青年副委員長 櫻井 泰行
第二分科会では各建築士会1案を提出し、神奈川県は関ブロ神奈川大会実行委員会メンバーの中からチームを作り、提出案を作成中です。
コンペの特徴は河口湖観光の望ましい姿をビジターの視点で論じた上で、決められた敷地に建物を提案する点です。
昨年12月にコンペチームメンバーで現地を視察してきました。提案対象の敷地は河口湖畔と河口湖駅の中間に位置し、周辺には小学校、
公民館、商店街、そして河口湖へ繋がる国道137号線があります。時期が12月だったせいもあり人通りもまばらで、
年間780万人の観光客が来る場所には思えませんでした。観光客が来るのは主に湖畔であり、彼らにもっと広いエリアを歩いてもらう事が町全体に
「観光地としての賑わい」を作るうえで重要と感じています。現在、提出に向け皆で知恵と力を合わせて製作に取り組んでいます。
今回の取り組みでコンペチームの結束が強くなり、来年行う神奈川大会の成功への土台となれば最高です。
そして成功を確実な物にするためには、多方面からの熱意ある協力も必要です。皆さん宜しくお願いします!
■関ブロとは、「関東甲信越建築士会ブロック会青年建築士協議会」の略で、10都県の青年協議会が主催する、年に一度の関東甲信越建築士大会です。
■2007年は神奈川開催。テーマは「学び考える建築士」
平成17年度全国青年委員長会議開催
3月10・11日、晴海トリトン東京建築士会会議室にて全国青年委員長会議が開催され神奈川から4名参加しました。 開催主旨は、研修・情報交換及び交流を通し、建築士及び建築士会の活動について共通の認識を持ち、各単位士会活動の活性化に繋げることです。 今年のテーマは「信頼される建築士会の為に」で、連合会制度副委員長および弁護士による講演と参加者によるワークショップが行われました。 会議は、士会の組織や建築士問題の影響もあり、各県の立場・各職域を持った建築士同士の意見交換が活発に行われました。
全国青年委員長会議に参加して・白瀚 百合子
私は昨年に建築士会に入会し、中支部より青年委員会に参加しています。会議では、個人的な問題、仕事と士会の活動との調整や、 委員会としての問題、社会的な問題、色々な事をお互いに意見交換し勉強になりました。
あとがき
リニューアルした前号から全会員にお届けしています。WESニュースは士会の活動報告に限らず、日頃の生活の中で感じた事なども 載せています。皆さん記事作りにもどんどん加わってくださいね。(雨森・佐藤・坂本・間木)