SALON 72 Web
Top >Salon72
Top >Salon72
この度5月28日の通常総会で皆様の御推挙により会長を拝命いたしました金子です。
会員各位のご協力とご支援を戴きながら全力投球で建築士会の運営に当たります。
SALONの紙面をお借りして会員の皆様にご挨拶を致しますのでどうか宜しくお願いいたします。
さて、神奈川県建築士会は国の法人改革への対応として一般社団法人となる事を選択し、無事に認可を得る事が出来ました。
今後の選択肢として公益法人化への含みを残しつつ、監督官庁の厳しいチェックを受けながら新しいシステムへの
移行が整ったわけですが、実施に際して各支部や委員会の皆様には大変ご苦労をお掛け致しました。
これからの本格的な実施により、さらによりよい方式とするために是非、皆様からのご意見をお寄せ下さい。
ところで、あの忌まわしい姉歯事件以来、一般社会から建築士への信頼が失われてしまいました。
さらに建築基準法の改正、関連法規の改正は「性善説から性悪説」へと根本的な考え方を一変させ、
建築士の尊厳をさらに奪うものであると思えます。戦後70年を過ぎすでに制度疲労を起こしている
建築基準法等の根本的な改正が求められるところです。私達建築士は建築士会の会員としてその綱領に従い、
倫理規定を遵守して資格者としての自己責任を果たす事により社会からの信頼を再構築しなければなりません。
建築士会の会員は設計・施工・行政・教育等建築界のあらゆる分野に存在しています。建築士会の会員が建築士として、プライドを持ち、社会からリスペクトされる存在となる事を第1の目標としたいと思います。建築士会の会員減少が大きな話題となっております。会費収入の減少は会の活動を鈍らせ、
赤字体質は建築士会の存続の危機と捉えて平成26年度に会費の値上げに踏み切りました。
会員サービスの向上をさらに進めて建築士会の魅力アップを図りたいと考えています。
建築士会に入会するメリットは何か?との声を良く聞きますが、会員としての誇りと活動の場を見つけ出す事ではないかと思います。つまりメリットは与えられるものでは無く、ご自身が造り出すものです。会の活動基盤を高めるためにも、財務基盤を強化するためにも会員増強を第2の目標としたいと思います。
建築士会は県下の各地に8つの支部と神奈川県庁に職域支部があり全体で9つの支部で構成されています。
また10の委員会が有りそれぞれが活発に活動しています。特に各地の地域支部は歴史を持ち建築の専門家として各地の行政と協力し、まちづくりや、防災減災への地域貢献活動を行っています。
地域活動は士会の基礎です。今期は各地の集まりや行事に少しでも参加させていただき、地域の現状や諸問題を共有して行きたいと考えておりますので宜しくお願いいたします。
また、建築3団体(JIA・事務所協会)により設置された建築会議の連携を密にし、魅力を高める事も重要な課題です。
スタートを切った新体制です。活動して楽しく魅力ある建築のプロフェッショナル集団を目指しましょう。
皆様のご支援とご協力により充実した活動を展開すべく今まで以上のご協力をお願いして会長のご挨拶と致します。
平成27年度の本会通常総会は、1,177名(当日出席72名、委任状1,105名)の出席者を得て開催され、
議案については、活発な討議がありましたが、すべて原案通り承認されました。また、総会を一時休会して開催された
臨時理事会では、金子新会長をはじめ平成27・28年度の新体制が決定され、総会の場で発表されました。
総会終了後に引続き開催された懇親会では、来賓として、
国土交通省関東地方整備局横浜営繕事務所の岩野所長、神奈川県県土整備局の吉田部長、
横浜市建築局の坂和局長をはじめ来賓の皆様にご臨席いただき、
また、金子新会長から花方前会長へ花束が贈呈されるサプライズもあり、盛会裡に終了しました。
会員の皆様のご協力に心よりお礼申し上げます。
なお、詳細については「掲示板」総会特集号(平成27年7月号発行)をご覧下さい。
日 時:平成27年5月28日(木)14:00~16:30
場 所:神奈川県建設会館 2階講堂
出席者:1,177名(当日出席72名、委任状1,105名)
表 彰:関東甲信越ブロック会平成26年度優良
建築物表彰伝達式
議 案:1 平成26年度 事業報告(案)
2 平成26年度 収入・支出決算報告(案)
3 平成26年度 決算監査報告
4 理事選任(案)
5 監事選任(案
6 会長及び副会長・専務理事候補の推薦(案)
7 顧問・相談役承認について
報告事項:1 平成27年度 事業計画
2 平成27年度 収入・支出予算
3 その他
《理事》
会長 金子 修司
副会長 渡邉 一郎 大川 友理枝 長田 喜樹
理事 玉野 直美 雨森 隆子 有泉 ひとみ 村山 勉 田中 敦史
加藤 高明 櫻井 泰行
支部長 加藤 清 (横須賀) 澤田 晃一(中) 猪股 正雄(小田原地方)
金子 成司(川崎) 内沼 良和(相模原) 原 昌吾※(県央)
春日 勇 (湘南支部) 山成 芳直(横浜) 小川 嘉一(県庁職域)
委員長 芝 京子 (総務企画) 村島 正章(技術支援) 髙橋 秀行(教育講習)
小笠原 泉(情報広報) 折笠 幸男(CPD・専攻建築士制度)
浦 絵美 (女性) 吉原 直美(福利厚生) 奈良 直史(青年)
東 二郎 (防災) 長瀬 光市(景観整備機構)
専務理事 須藤 亮二(会員外)
《監事》 上原 伸一 土井 幹夫 小渡 佳代子 金沢 晴男(会員外)
※理事外
平成27年度通常総会の開催に先立ち、関東甲信越建築士会ブロック会平成26年度優良建築物表彰伝達式が行われました。 ここでは、受賞作品と受賞者 納谷 新さんのプロフィールをご本人よりご紹介いただきました。
■作品紹介「360°」
ただ単に居場所をつくった結果いくつもの名前もつかないような場所ができて、内だったり外だったり、狭かったり広かったり、クローズだったりオープンだったり、公園のようにヒエラルキーなく繋がって、レベル差も6種類になった。それは半地下だったり、低い天井の下だったり、深い軒の下だったり、屋根の上だったりする。
和でも洋でもなく、新しくも古くもない、どっちつかずで、なるべく編集しない、動物がただ巣をつくるような、目指すかたちをもたずに設計した。それが純粋で当り前のことだと思ったし、本当のことだと思った。
何の方向性も持たない建物「360°」にしたかった。
≪プロフィール≫
1966年 秋田県生まれ
1991年 芝浦工業大学卒業
1991~93年 山本理顕設計工場
1993年 納谷建築設計事務所設立、2005~15年 東海大学非常勤講師、2005年〜 昭和女子大学非常勤講師、
2008年〜 芝浦工業大学非常勤講師、2000年 東京建築士会住宅賞奨励賞 (s-tube)、
2001年 ar+d賞入賞(宝珍楼)、2009年 JIA北海道支部住宅賞2009アカシア賞(サッポロアパートメント)、
2010年 第5回JIA東北住宅賞大賞2010優秀賞(鷹ノ巣の2世帯住宅)
、2011年 日本建築士会連合会奨励賞受賞(恵比寿の住宅)、2014年 パッシブデザインコンペ2014優秀賞(360°)、
2015年 昭和こども園完成予定(東京都世田谷区)
【支部通常総会・講習会】
今年の中支部通常総会は5月23日(土)午後、平塚駅南口のひらつか市民活動センター会議室Bにて開催されました。
本年度は改選年となり、副支部長、会計の交代、また新任役員と役員に復帰された方が3名加わり、その一方、今期で役員を退かれる方もいらっしゃいました。長年、お仕事の合間を縫って支部の運営にご協力いただいた役員の方にあってはお疲れさまでした。
また、新たに役員となった方とは、ともに力を合わせ、支部の活性化に務めたいと思います。
役員改選のほか総会各議案はつつがなく終え、また、本会花方(前)会長にお越しいただき、無事終了しました。(長年の会長職、お疲れさまでした。)
本年の併催講習会は「被災地への想い キャラバン隊研修会」~いつかやってくる、その日に向けて~を開催しました。阪神淡路大震災から20年、東日本大震災から4年、そしてこの首都圏でも、直下型地震の発生が予測されております。大地震発生時から、建築士は被災者であると同時に、住宅相談活動等を通して復興への担い手にもなる存在でもあります。本会でも10年前の2005年に防災委員会を発足、有事の際の支援体制の整備に取り組んできました。
今回、東防災委員長にお越しいただき、活動の実際についての説明を防災委員の内田幸夫氏に、また同委員会発足の契機になった、2004年の新潟県中越地震の際、ボランティアに参加した田代茂夫氏、濱田貞夫氏に体験談をお話いただきました。ライフライン等に支障が生じ、リスクが伴う被災地では、さらに災害発生時の気候の問題やそれに伴う個々のボランティアスタッフ自身の健康管理等、向き合う問題は様々にあり、同時にスタッフ同士の互助の精神も重要になってくるものです。現在、中支部ではキャラバン隊に登録している方は10名、今後のことを考えると、もう少し多くの方に登録していただきたいところです。
今回の講習がその切っ掛けとなれば幸いです。
最後になりましたが、東防災委員長、講師の内田氏、体験談パートを快く引き受けてくださった田代・濱田両氏に誌面を借り厚く御礼申し上げます。
5月28日(木)、午後の建築士会通常総会に併せて開催の「よこはまラーニング」。
昨年の大倉山記念館に引き続き、奇しくも今年も大倉山の建物を見学。
今年の訪問先は「ENEOS創エネハウス」(港北区大曽根一丁目)です。
石油大手のJX日鉱日石エネルギー(株)が提案する住宅のエネルギー実証拠点として、
2009年3月に開設。2階建160㎡(設計:小泉雅生)。エネファームや太陽光発電、
蓄電池システムなどのエネルギー機器を設置、エネルギーの「見える化」を推進したモデルハウスです。
昨秋のリニューアル後は(株)LIXILとのコラボにより同社サッシ製品等の設置・展示も行なわれています。
JX社の方の案内により、内部をじっくり見学させていただきました。計画段階より周辺の通風に配慮した計画は、
短い滞在時間でも快適で、今後の住宅設計のヒントも随所に散見されました。
余談ですが創エネはローマ字で綴ると「SOENE」…つまりJX社のGSのブランド「ENEOS」のアナグラムでもあります。
最後になりましたが、当日お世話になりましたJX日鉱日石エネルギー(株)様には誌面を借り厚く御礼申し上げます。
末筆乍ら、どちらのイベントとも、ご参加いただきました皆様には厚く御礼申し上げるとともに今後とも、中支部の活動を見守っていただければ幸いです。
平成27年5月18日(月)に、相模原支部の定期総会が行われました。
会場は、昨年にひきつづき平成25年の3月にオープンした複合施設
「bono(ボーノ)相模大野」のサウスモール3階にあります、
「ユニコムプラザさがみはら セミナー室2」でした。小田急線相模大野駅より徒歩3分と便利な場所です。
今回は、変わった試みとして、総会前の午後1:30より、相模原支部の会員でもあります、
畠山正広氏による「高齢者と住まい」と題した講演会が行われました。
在宅生活における問題点として、車椅子の段差や通路の改修や、ベッド設置における注意点など、
建築士向けに大変わかりやすい講演でした。
その後、午後3:00より総会が行われました。
来賓には長田喜樹副会長をお迎えし、計15名が
参加しました。総会後は、相模原支部賛助会員のアンバーパートナーズと総合資格学院よるPRが行われました。
その後、会場を移動し、懇親会が行われました。
神奈川県建築士事務所協会相模原支部長、並びに相模原市設計協同組合副理事長の永田健治氏も
お祝いに駆けつけて下さいました。終始和やかな雰囲気の中、出席者の懇親を深めることができました。
県央支部の第41回通常総会は、平成27年5月15日(金)18時から例年と同様、
オークラフロンティアホテル海老名にて行われました。
総会は、原支部長が議長を務め、議事進行させていただきました。
平成26年度事業・会務報告では「イスラム建築・都市5」や「ベトナムでの文化財建造物の修復」の講演会の報告の他に、
三支部合同共催研修バスツアー、箱根トレッキングの報告がありました。
平成26年度決算報告、支部役員改選案が承認され、原支部長の再任が決まりました。
引き続き、平成27年度事業計画では、「建築基準法・建築士法改正講習会」、
「イスラム建築・都市6」の講習会の計画、斎場やプレカット工場の見学の計画、
街歩き、箱根トレッキングなどの企画の提案がされました。平成27年度予算案が示され、承認されました。
出席された会員の方々のご理解によりまして円満に議事進行することが出来ました。
本会より来賓として渡邉副会長のご出席をいただき、県央支部の活発な活動への励ましのお言葉をいただきました。
その後の懇親会では、20名の皆様からそれぞれ近況報告と仕事などに対する思いを発言していただき、
大いに盛り上がり、そして更なる親交を深めることが出来ました。
湘南支部第42回通常総会が5月15日(金)に藤沢商工会館(ミナパーク)にて開催されました。
当日は、第1部が勉強会、第2部が通常総会、第3部が懇親会という構成で進められ、
勉強会では「最近の法改正の動き」をテーマに、藤沢市建築指導課金子様よりご講演をいただいております。
建築基準法は、平成26年6月4日に改正法が公布され、その主な内容は木造建築関連技術の見直しや
構造計算適合性判定制度の見直しなど、これまでの規制内容や手続き方法が大きく変わるものです。
これら改正法の施行が今年の6月4日からとなっているため、制度を理解しておく必要があると感じました。
通常総会では、平成26年度の事業、会計報告及び平成27年度の事業計画案、
予算案が滞りなく承認された後、新役員の選出が行われています。
支部長が甘粕氏から春日氏に交代するなど、これから2年間の湘南支部新体制が発足しました。
議事終了後の来賓挨拶では、神奈川県建築士会花方会長より、滞りなく議事が進行したことへのお祝い、
事業継続のため会費を値上げせざるを得なかったこと、などについてお話をいただいております。
懇親会は、和やかな雰囲気で進行し、新会員が紹介されるなど、今後も湘南支部の活動がより一層活発になるよう
祈念しての閉会となりました。
5月16日、横浜情報文化センターにて、第22回通常総会が開催された。
活動計画、予算案は無事に承認され、いよいよ本年度の活動が本格化していく。
総会にご参加いただいた横浜市建築局長・坂和氏からのご挨拶が興味深かった。
高度経済成長期につくられた団地の老朽化は単にハードの問題ではなく、居住者の高齢化でもあるとのこと。
地方だけでなく横浜市のような都市部でも、身近な問題として持続性が問われている。
総会が無事終了した後、建築家・保坂猛氏の講演も開催された。保坂氏の事務所は会場からも近く、
横浜にゆかりのある建築家である。
講演会は映画トップガンのポスターから始まり、「ふさわしくないものほど、ふさわしい」という晴佐久神父のお言葉を
引き合いに出し、自身の建築作品をご紹介いただいた。
最初は、パイロットになるために防衛大学校に入学したが、
1年目の適正検査で不合格となり、建築を学ぶことにした。
「ふさわしくないもの」と「ふさわしいもの」の、ご自身の経験である。「ふさわしくないもの」という反対側の世界が、
時として新しい価値観と可能性を発見させてくれる。
私たちの身近にある問題もそんな視点を持つことで、何かよい方向に進むことができるのではないかと
考えた。
平成27年5月16日に、支部総会が本会の花方会長をお招きし開催されました。
賛助会員で県会議員に選出された守屋輝彦氏と小澤良央氏に、祝辞と今後の活動の抱負を語って頂きました。
支部社会貢献活動用のスッタフジャンバーとヘルメット10セットが購入され、木造住宅耐震診断、小田原産業まつり等で
活用する事になりました。
他支部共催の支部近郊の見学会、秋のバス旅行、講習会、勉強会が事業と成り、
今年度は厳しい予算の中工夫して行こうと思っています。
講演会は小田原市福祉健康部健康づくり課の茂川副課長による「毎日を健康に過ごすために」でした。
ユーモアを交え、高齢者の楽しい健康づくりを学べました。
懇親会では20名余の参加があり、日頃中々会えない会員の皆様と情報交換を行い、親睦を深める事が出来ました。
川崎支部の第53回通常総会は平成27年5月19日(火)15時から、
第一部:総会、第二部:講演会、第三部:懇親会として行われました。
昨年に引き続き午前中に雨が降りましたが、総会の開始までには快晴となり、幸先の良いスタートとなりました。総会及び講演会は川崎フロンティアビル2階の会議室で行われました。
第一部の総会は村松副支部長の司会進行の下、進められました。
本会より来賓の渡邉副会長からは、「建築士会の活動は会員の手で動いている。
活発な活動を期待する。」とお言葉を頂きました。続いて、金子支部長を議長に選出し、
平成26年度会務及び事業報告、平成26年度収入・支出決算報告及び監査結果の報告、平成27年度会務及び事業計画案、
平成27年度収入・支出予算案が示され、4議案について承認されました。
また、支部役員改選も行われ、金子支部長の再任、役員の改選が了承されました。
第二部は川崎市まちづくり局の小林延秀氏から 「変化に対応するまちづくり-臨海部・川崎駅・小杉駅周辺-」と題して
講演がありました。昆虫は20〜30世代で進化するという例を挙げ、まちも同様に進化すると聞き手の興味を引付け、
川崎市を代表する3地点がどのように変化したのか・させたのかについてお話がありました。
また、その他色々あったお話をして頂き、会員の皆さんは大満足だったのではないかと思われます。
第三部は場所を移して懇親会を行い、大いに盛り上がり、川崎支部通常総会は盛会に終わりました。
6月10日の平成27年度通常総会は、県庁・住宅供給公社・土地建物保全協会等、
県関係の会員約40名が参加して盛大に開催されました。例年の総会は県庁新庁舎12階の食堂スペースを会場としていましたが、
改修工事中のため、今回は横浜駅西口、イタリアンのお店を使った集まりになりました。
こじんまりとしたスペースながら、ほとんどの参加者が座れる椅子席でしたので、年寄りにはありがたい会場。
欠席も少なかったようで椅子が足りず、幹事の皆さんは2時間立ちっぱなし。お疲れ様でした。
今年も2名の新入会員を迎えることができ、支部会員数は139名との報告を皮切りに、議事は滞りなく進行。
新たに選出された小川支部長からは、支部活動の活性化、とりわけ今秋予定されている住生活月間の全国イベントに
積極的に取り組みたいとの決意表明と他支部との連携も意識したいとの挨拶がありました。
続いて、本会からご臨席いただいた金子会長より、こうした支部活動の重要性を強調された激励のご祝辞を頂戴いたしました。
根岸副支部長の乾杯で歓談に移り、あっという間に時間が過ぎていきました。
窓の外を見やれば、ビルの8階会場のために、首都高高架部の路面と同レベル。
暮れゆく横浜の夜景と疾走する車が背景という、一風変わった総会も、無事終了。
5月29日金曜日、建築士会横須賀支部の通常総会が開催されました。
当日は、総会に先立って、15時半より被災地住宅相談活動(キャラバン隊)研修交流会が、
本会防災委員の雨森理事にも参加頂き、二部構成で行われました。
一部では、キャラバン隊の活動・制度のあらましについて、パワーポイントを用いて、高戸支部防災委員の説明を受けました。
二部では、二度の新潟地震で実際にキャラバン隊に参加された経験のある古怒田さんに、実体験を聴かせていただきました。
さらに、横須賀支部有志で2011年10月に行った東日本震災の被災地視察の動画をみて、
有事への備えの重要さを改めて確認しました。
通常総会は、26年度決算及び監査報告、27年事業計画、27年度予算、27・28年度幹事改選、
27・28年度支部長・副支部長承認の5つの議案を審議し、承認を得ました。
支部長は、加藤清前支部長が2期目も継続、副支部長も全員2期継続で承認され、皆さん続けて御尽力いただくことになりました。
続く懇親会も盛況で、天気にはやや恵まれなかったものの、そんなことはものともしない力強い横須賀パワーを感じました。
鎌倉駅西口から市役所方面に進み、市役所前の交差点を少し南に折れた
今小路通沿いにある御成小学校正門脇に建っているのが旧鎌倉町立図書館です。
旧鎌倉町立図書館は、関東大震災の復興事業として、鎌倉同人会のメンバーでもあった
間島弟彦・愛子夫妻の全額寄付により、昭和11年に建設されました。
昭和49年に中央図書館が完成してからは、市役所分庁舎や子どもの家として使われていました。
建物は、木造2階建一部3階建、切妻造です。外壁は、モルタル塗りで通り沿いには柱型を付け、
建具は主に上げ下げ窓で一部3連窓を見せるなど洋風意匠を基本としていますが、
屋根は桟瓦葺で妻面の破風には懸魚を付けるなど、和風意匠も混在しています。
おそらく和洋折衷の意匠を取り入れているのは、隣に建つ同時期に建てられた御成小学校講堂の意匠を意識したもの
ではないかと思われます。
平面構成は、今小路通に平行に梁間4間半、桁行9間、2階建の元閲覧室が建ち、直交して梁間3間、桁行4間、
3階建の元書庫が建つ、かぎ型の平面構成となっています。この2つの棟は揃っており階高が異なるため、
2階はスキップフロア状に繋がります。内部の仕上は、近年の改造により改変されていますが、
一部当初の仕上が残っており、壁や天井の仕上は木摺り下地漆喰仕上げ、腰壁は板壁となっています。室内は、
装飾的なものは少なく、とてもシンプルな意匠でまとめられています。小屋組はキングポストトラスで、
桁行方向に1間ずつ入る4寸半の柱により屋根を支えています。2階の床梁の成は1尺5寸、胴差の成は8寸で、5寸6分角の火打梁で水平剛性が確保されています。また、壁面には筋交いが入っています。基礎も鉄筋コンクリートの布基礎が入り、構造はしっかりとしています。震災復興の建物であるため、耐震性を意識してより頑丈に造られたということが窺えます。
旧鎌倉町立図書館は、全体的な意匠はとてもシンプルにまとめられていますが、
隣接する御成小学校講堂、御成小学校正門の3つの建物は、周辺の樹木と一体となって、
往時の今小路通の町並みを今に伝える重要な遺構となっています。
スクランブル調査隊のメンバー及び邸園保全活用推進員の有志メンバーが現況調査に協力しました。
<概 要>
名 称:旧鎌倉町立図書館
所在地:鎌倉市御成町18-35
建設年:昭和11年
設 計:不明
施 工:不明
構 造:木造2階建、一部3階建て
切妻造桟瓦葺、キングポストトラス
※現在、内部の見学はできません。
(スクランブル調査隊 戸田啓太)
教育講習委員会では、自らが企画して講習会を 開催するほか、日本建築士会連合会等からの依頼 により講習会を開催しています。 本報では、日本建築士会連合会、日本建築士事 務所協会連合会、及び日本建築家協会からの依頼 を受けて平成27年5月14日に開催した標記講 習会の概要について報告します。本講習会では、 建築士事務所に属する建築士等を対象に、「建築士 法の一部を改正する法律(平成27年6月25日 施行)」の内容を周知することを目的として開催 し、138名の方が参加されました。講師は神奈 川県建築安全課の職員等に依頼し、次の3つの内容について講義が行われました。
1・建築士法改正の経緯と意義
今回の改正では、立場や考え方の異なる「建築三会(日本建築士会連合会、日本建築士事務所協
会連合会、日本建築家協会の建築関係団体)」が「設計・工事監理等の業の適性化」と「建築主等への情報開示の充実等」とういう共通の目的に向かっ
て、国や国会議員に働きかけ、議員立法により、「建築士法の一部を改正する法律」が成立されました。このように、建築関係団体三会の提案がき
っかけとなった建築士法の改正は、建築士法制定以来、初めてのことです。
2・建築士法の改正内容について
(1)法改正の必要性
従来、建築物の設計・工事監理の業務において、必ずしも書面による契約がなされていないことな
どにより、業務を行う建築士事務所の責任が不明確となり、建築紛争の増大、長期化に繋がり、建築士のなりすまし事案等が生じました。これらの
ことにより、建築物の設計・工事監理の業務の適性化や建築主等への情報開示を充実することが求められました。
(2)法改正の概要
本講習会では、改正建築士法の概要を次の5つのポイントに分け、講習が行われました。
『①書面による契約等による設計等の業の適性化』
300㎡を超える建築物について、書面による
契約締結の義務化、一括再委託の禁止。報酬基準
に準拠した契約締結の努力義務 等
(ここで、300㎡を超える場合、新築だけでは
なく、増築、改築、大規模修繕や大規模模様替え
の工事も対象となるので、注意が必要となり
ます。)
『②管理建築士の責務の明確化による設計等の業の適性化』
受託する業務の選定等の管理建築士の責務を明
確化 等
『③免許証の掲示等による情報開示の充実』
建築主からの求めに応じた免許証提示の義務化
等
『④建築設備士に係る規定の整備』
建築士が延べ面積2,000㎡を超える建築物
の建築設備について建築設備士の意見を聴くこと
を努力義務化 等
『⑤その他改正事項』
建築士事務所の所属建築士を変更した場合の届
出義務化(3ヶ月以内) 等
3・改正建築士法による設計受託契約等の
ポイントについて
建築関係団体等が作成している契約書の様式に
ついて紹介があり、記載方法やQ&A等について
解説がありました。なお、契約書の様式は、契約
内容や建築物の規模等によって異なる契約書が四
会連合協定のホームページ等に公開されており、
利用することが可能となっています。
以上のように、今回の建築士法の改正により、
建築物の設計・工事監理の業務の適性化が行われ
る一方で、建築主等への情報開示の充実が求めら
れることとなりました。これにより、私たち建築
士はこれまで以上に責任をもって業務に取組む必
要があると考えられます。
◆委員長から一言◆ (村島 正章)
27/28年度の新たな役員改選があり、引き続き理事・技術支援委員会委員長として会員活動の支援を行うことになりました。
魅力ある士会づくりをめざし、努力していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
子どもの生活環境部会からは7月・8月夏休みの楽しい企画をお知らせします。
7月20日は藤沢市の蔵まえギャラリーで、「子どもたてもの探検」をおこないます。
蔵まえギャラリーは旧榎本商店というお米屋さんで、子ども達と昔のくらしを想像しながら商家の建物や蔵を探検します。親子参加も可能ですので、藤沢市の方はどうぞご一緒に探検しにいらしてください。
蔵まえギャラリーの探検ワークショップは9月6日にも同じ内容で行います。こちらも参加者募集中ですので、どうぞお越しください。
8月には昨年度に引き続き、川崎市中原区で「ようこそ建築の世界へ~中高生のための建築講座~PARTⅡ」を開催します。第一回の8月1日は、一人ひとりが家の模型を作り、班ごとに並べて街並みを作ります。第二回の8月6日は変化の激しい武蔵小杉駅周辺に注目し、見学ワークショップを予定しています。身近な場所も視点が変わると中高生の目にはどう映るのでしょうか。川崎市在住・在学の中学生高校生の参加を募集中です。
同じく8月には横浜市内の学童保育で夏休みイベントを予定しています。楽しく夏休みの一日を過ごせる企画を現在検討中です。
「蔵まえギャラリー探検」「ようこそ建築の世界へ」のお申込み・お問合せはこちらからも受け付けています。
kodomo@kanagawa-kentikusikai.com
夏休みを一緒に楽しみませんか?
建築環境部会では、建築の温熱環境等の設定について、
いろいろな観点から考えることが必要ではないかという立場から講習会、
見学会、毎月の勉強会などを開催しています。今回ご紹介するのは、今年の2月14日に開催しました
「雨デモ風デモハウス」見学会です。地球上の恵である太陽光と雨水の有効利用で、
冬は温水をつくり床下タンクより家全体を暖め、夏は天井裏に雨水を流し気化熱にて家全体を冷やす。
極力電気エネルギーを使わない家づくりの実際を見学してきました。
講師を「雨デモ風デモハウス」の設計にかかわりました株式会社エクセルギー主宰で
「エクセルギーハウスをつくろう」の著者でもある黒岩 哲彦氏にお願いしました。
「雨デモ風デモハウス」の自然エネルギー熱循環の考え「エクセルギー」について解説があり、
「エクセルギー」とは「拡がり散りを引き起こす能力」のことで、
たとえば人間一人100Wの拡がり散りがあるなどの身近にある現象のこと。
また、暖房時は空気温度より床、壁、天井の放射温度が高いことが大切であり、
実際、床下雨水タンクに蓄熱された太陽熱の放熱だけの暖房で床、壁、天井の温度は20℃前後で温度差がなく快適でした。
天井裏の雨水気化熱冷房システムや外部の台所排水を浄化するビオトープの流れを確認できました。
窓などの開口部の位置や大きさなど温熱環境を考えて慎重にデザインすることの必要性を理解したうえで、
自然エネルギーの取り入れ方を計画の初期の段階から考えたデザインを積極的にしていくことの必要性を実感しました。
「雨デモ風デモハウス」は小金井市にあり武蔵小金井駅より徒歩15分ぐらいです。
小金井市が(環境楽習館)として管理していて見学可能ですので、市に問い合わせの上見学してください。