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新年あけましておめでとうございます。この一年が皆様にとって希望に満ちた活気ある年となる事を祈念いたします。 アベノミクスの効果は未だ実感しにくいところですが、安倍内閣のブレのない舵取りは長期政権としての安定感と相まって信頼と期待が持たれるところです。 国内外の困難で且つ重要な諸問題の解決への道は厳しいものがありますが、新しい年を迎え一層の期待をしたいところです。 さて、昨年の最大の話題であった、新国立競技場のあり方に関する国を挙げての大論争は、単なる環境保全や景観論を超え社会の本質に迫る大切な問題でありました。 禍根を残した国際コンペの扱い、緊急避難としてのデザインビルド的な建設計画は、設計と監理の分離という本来の方式から今後への大きな課題を残しました。 設計と施工の分離による品質の高い優れた建築の実現を目指したいものです。 さて、建設業界は設計・施工・材料等多分野にわたる業種を抱合し地域経済の担い手であり、この業種の発展が地域経済の活性化の重要課題であります。 一方で公共インフラや施設の維持管理への対応、オリンピックの建設需要の急速な高まりなどによる若年労働者の不足、震災復興の為の建設資材の高騰など、多くの社会問題化した課題が存在します。さらに、年末に横浜で発覚した「マンションの杭長」の問題は姉歯偽装事件で失墜した私達「建築士」としての資格の評価を再び汚す恐れがあります。実態調査の結果が見え始めましたが、マンション業界のあり方に起因する部分が大きいとは言え、施工管理する建築士等の資質が最大の問題です。
建築士会では倫理規定に則り、コンプライアンスを守る責任を持った資格として、建築士の存在をさらに社会に訴えて行かなければなりません。 社会からリスペクトされる建築士、信頼される建築士を目指して行きたいと考えております。 神奈川県建築士会は会員の熱心な活躍により充実した活動を展開して参りました。 会員数の減少傾向は続きますが、建築士会の会員である事が誇りとなり、ステータスである事を自覚し、さらに活発な活動を展開して行きたいと考えます。 士会の活動、支部、各種委員会などで開催される多くのイベントや事業活動に積極的に参加し、楽しく意義ある活動を通じて新しい仲間づくりや、会員の輪を広げて行きましょう。 さて、昨年末に松本陽一元会長が逝去されました。 横浜を代表する建築家として長きに亘り会員として活躍し、第8代会長を歴任されました。 心よりご冥福をお祈りいたします。 建築士は業務独占を認められた国家資格です。 建築士会はこの資格のよりどころとなる団体として存在します。 すなわち社会に対して責任を持つ事が建築士会の大きな役割と考えます。 建築を取り巻く様々な問題に、士会としてタイムリーに情報発信する事が必要であると考えます。 皆様と共に新しい年を実り多い一年としたいと思いますので、宜しくお願いいたします。
支部交流会の未開催支部は、横浜支部と県央支部。 今年は「横浜支部が開催することになりました」と聞いたのが本年3月。 まだまだ開催は 10 月と思っていたら、あっと言う間に開催日が来てしまいました。 講演会会場の予約、参加者数もわからないまま、懇親会場の予約等、不安な部分も多々ありました。 テーマを「防火帯建築」と決めてからは、それに向かって一挙に進むことができました。 実は僕は「防火帯建築」ということが何であるかよく理解していませんでした。 関内周辺に、今まで気づかずに通り過ぎていた身近な建物が、実は「防火帯建築」であり、しかも計画的に配置されていたとは驚きです。 我々のこの動きに注目した「朝日新聞」が 10 月3日神奈川版に「防火帯建築を歩く」 というタイトルの記事を掲載しました。 「防火帯建築」に関する講演会の中で、「このブリッジを渡ってみたい」と写し出された映像の建物の所有者は、建築士会会員のT氏でした。こんな身近にいたとは。また、二言目には「防火帯建築 を世界遺産に指定するべきだ」と冗談とも本気とも思えるご意見が印象的でした。 なお後日、タイトル「重要性学び保存活用へ」サブタイトル「神奈川士会 防火帯建築テーマに交流会」ということで、10月23日付「建設通信新聞」に記事が大きく掲載されました。
午前のまち歩きAコース
(横濱 近代様式建築から戦後防火帯建築まで)
・Bコース(「残照を訪ねる@横濱」現存する建造物と解体されてしまった建造物)に始まって、午後の2人の准教授・教授による講演会およびシンポジウム、最後に懇親会と分刻みのスケジュールでしたが、とりあえず大きな問題も無く無事終了。
同じ時期に建築士会も参加している「神奈川・横浜 すまいみらい展」が開催されており、情報広報委員の僕は全く無関係という訳では無く気になるところでした。
なお、講演会の参加者は129名、懇親会の参加者は47名でした。
最後の中締めの挨拶はいつものように「なぞかけ」です。
「防火帯建築」とかけて「よく効く薬」とときます、そのこころは「延焼(炎症)を止めます。」
いろいろとご協力していただきました多くのスタッフの方、大変ありがとうございました。
(横浜支部 落合 博)
心配された雨も上がって歩き始めたころは曇り空、ある意味では寒くもなく暑くもなく絶好のコンディションとなりました。案内役は笠井三義さんです。
最初に建築士会事務所のすぐ近くにある、弁三ビルに行きました。
説明を受けたあと目にする建物の印象は以前見たものとは、少し違って見えました。
1・2階が店舗、3・4階が住宅という建物で、所有者は三溪園で有名な原さんだそうです。
道中、ドリス式・コリント式・トスカナ式等の建物を同時に勉強できるのも横浜という場所の魅力でしょうか。
吉田町の「防火帯建築」では実際に内部を見学することができました。1階がブックカフェ、2階が設計事務所で一部が吹抜けになっております。
これらの建物は、その建物の持つ機能とは別に「防火帯建築」という当時としては重要な役割を担っていたんだと思うと、
午後の講演会の中での話し「戦後の復興遺産として世界遺産への登録申請」という話も、まんざら大げさな話でもないのかな、という気になってきました。
まち歩きのBコースに参加させていただきました。案内役はスクランブルの森山元隊長です。 資料を見ると多数の建物をピックアップしてあり期待が膨らみます。 「時間が限られているので、全部見られないかも」と出発前のお話の通り、少し急ぎ足での見学になりました。 開港記念会館では、ステンドグラス等の解説を受け、地下貯水槽跡や開港資料館を通り、 サプライズとして用意された神奈川県庁へ。名物施設整備課長さんの案内で、じっくり庁舎内を見学することが できました。県庁を出て居留地48番館を通り、芸術劇場の横にある居留地の遺構を展示している場所を見学しました。初めて見る場所で、展示方法に目から鱗でした。山下公園沿いを通り、ニューグランドの中庭を見学した後、元隊長おすすめのトヨペット2階のレストランで皆さんと昼食。 ディーラーの2階にレストランとは、2回目の目から鱗状態です。歩いた後のビールを楽しみにしていたのですが、アルコールが一切置いて無く少々残念でした。 解散後数名の方と大桟橋に停泊している「いずも」を見学し、交流会会場へ向かいました。 交流会の機会を使って、地域の特徴がよくわかるまち歩きイベントは、楽しく交流会参加のきっかけとなる有意義な企画だと感じました。
第58回建築士会全国大会は、去る10月30日(金)・31日(土)の2日間、加賀百万石の城下町金沢市で
開催されました。
「百万石の地で触れよう~未来につなぐ~まちづくり」をテーマに、まちの活性化・防災まちづくり・建築文化の継承・
そのための専門家の育成について講演・展示・セッション・エキスカーションなどが開催され、
神奈川県建築士会から51名が参加しました。
金沢は北陸新幹線開通以来、観光客が著しく増加しているとともに毎月10ほどの全国レベルの会議が開催されていて活気づいている印象を受けました。
テッちゃんではないけれど、フェラーリのデザイナーだったことで有名な奥山清行氏が「和の未来」を表現した“W7系/かがやき”に乗車し、事務局の松山さんの引率で横須賀支部の田中忠夫さん・加藤清さんの4人で金沢に向かいました。
到着後式典までの時間を利用して、以前から見たかった谷口吉生氏設計の鈴木大拙館、
SANAAによる金沢21世紀美術館を見学しました。
各所に石川会の腕章を着けた案内担当の会員を見かけ、全県体制を感じました。
式典は石川県立音楽堂コンサートホ-ル(設計:芦原建築研究所)において、 19世紀に流行したドイツロマンティックスタイルのパイプオルガンの演奏から始まり、 大会宣言・国歌斉唱・地元の石川県建築士会照田会長の歓迎のことばがあり、 三井所連合会会長・谷本石川県県知事・山野金沢市市長・趙大韓建築士協會會長の祝辞と、厳かに式典は進行しました。私たちは黄色の花輪を付け、108名の功労表彰者・28名の伝統技能表彰者・18名の作品受賞者として紹介され、誇らしい思いとともに皆さんから頂いたご支援に感謝の思いを 改めて感じました。最後に来年の開催地である大分会へ大会旗の引継がおこなわれ、滞りなく式典は終了となりました。 思い起こしますと平成15年に招集されたホームページ検討会議から本部での活動を初め、 情報広報委員会、技術支援委員会などの委員会とともに4期の理事・監事、さらに川崎支部役員を7期、 無事に務めさせて頂いたことは会員皆様・事務局のご支援とご協力によるものと感じています。 連合会長表彰に際し改めてお礼申し上げます。
第3回となる今回のテーマは、「HMと職人との連携による伝統建築の保全と文化の継承」。
開催地石川県の2事例を含む下記5事例の報告を聞き、見聞を広め、深めようというパネルディスカッション的形式で行なわれた。
■金沢職人大学校による伝統建築の保全(武藤 清秀氏/石川県建築士会)
実習による木造建築伝統技術の保全・継承と、熟練技術者の育成。
■能登半島沖地震時の建築士と職人との連携
(小林 吉則氏/石川県建築士会)
能登半島沖地震で被災した土蔵の修復を通した左官職人との連携と街づくり。
■職人塾の取り組み(松下 宏氏/宮崎県建築士会)
京都から伝統建築物修理に携わっている熟練職人を招聘して地域職人を育てる試み。
■HMと職人との協同連携による保全活用(池田 誠之氏/神奈川県建築士会)
職人が講師として参画しているHM講座と北鎌倉明月荘でのHMと職人との協同連携活動を紹介。
■職人組合との協定書の締結(塩見 寛氏/静岡県建築士会)
大工・左官・瓦の職人組合との連携により、被災した歴史的建造物の滅失を防ぐ試み。
『未来につなぐまちづくり』にふさわしく、古都金沢の歴史を伝える街並み、文化財、建造物は私たち現代人に感動を与え、未来へつなげてゆくエネルギーになっていると強く感じた。【海みらい図書館】は、図書館という用途に特化し洗練された空間デザインと丸窓から差し込む光が繰り広げる雰囲気はとても豊かで心地良かった。【大野からくり記念館】は、特異な構造形式から紡ぎ出される内外空間を持ち、江戸時代からの伝統芸能のからくり人形の動きには少年のような感覚で引き込まされた。【妙成寺の建造物群】は、静かに重厚に歴史を伝え、奈良法隆寺並みの国宝級の建造物がこの北陸の地にあることを思い知らせていた。【西田幾多郎記念館】は、ディテールや内外空間の表情が、意味深長に訪れる者に西田の哲学を語りかけ、感動を与えていた。優れた建築がこの金沢に集結している現実は単なる偶然ではなく、この北陸の人々の感性の豊かさや精神性の高さや寛容さがもたらしたものではないだろうか。途中の千里浜なぎさドライブウェイでは海岸線(砂浜)の波打ち際をバスで走り、驚かされた。また、宮大工で技能継承の面で表彰を受賞された鈴木氏と行動を共にさせていただいたが、一つことを究めた人物の行動力、人間性、に驚嘆し、学ぶことが多くあった。ありがとうございました。
第58回全国大会石川大会の大交流会は、ANAクラウンプラザホテル金沢の3階「鳳の間」で午後5時から開催された。 当該ホテルは、大会式典が開催された石川県立音楽堂に隣接しており、移動には時間を要しない。 大会終了後、手荷物を部屋に置き、すぐに会場に向かったが、すでに大勢の参加者でいっぱいであった。 本県士会の会員を探したが誰も居らず、テーブルを確保するのも難しく、仲間の来場を待っていたが、 会場は通勤電車並みの混雑になった。昨年の反省もあってのことと思われるが、飲み物、食事は出されていなかったので、 乾杯前に祝宴が始まってしまうことはなかったが、テーブル間の移動もままならないので、他会の人との交流は難しい。 昨年も感じたことであるが、もう少し広い会場を確保してほしいものだと思った。 やがて、女性陣が来られ、テーブルは確保されたので、本会会員とは杯を重ねることはできた。 大交流会の楽しみの一つは、開催県で準備して頂いているアトラクションであるが、今回は、「金沢素囃子」が披露された。 金沢市無形文化財に指定されているとのことであり、開演前に「素」の意味について説明があり、「混じり気の無い」との意味であり、 踊り手なしで演じられる、お囃子であるとのことであった。もちろん演奏するのは「素人」ではなく、東・西・主計町の三茶屋の芸妓衆16人の演奏である。このオープニングアトラクション、開会あいさつに続き、来賓の大韓建築士協會の李根昌名誉副会長の発声により乾杯が行われ、歓談に移った。 そして、恒例の通り、次期開催県である大分県建築士会の皆様による大分県のアピールの後、 石川県建築士会副会長の閉会あいさつにより閉会となった。
ミーズ設計連合協同組合 管理建築士
横須賀支部 相談役(元支部長)
「受賞を頂き、誠にありがとうございます。建築を新たに考える出発点にしていきます。」
馬淵建設株式会社 設計室
教育講習委員会委員長/CPD・専攻建築士制度委員会委員/横浜支部技術・情報委員会委員
「自分の学ぼうと思っていた事を、知らぬうちに評価して頂いたことに心より感謝致します。」
(株)系一級建築士事務所 代表取締役
前情報広報委員長/前川崎副支部長
「建築士会に入会して38年、連合会長表彰に際し皆様にお礼申し上げます。」
(株)星野土建 社長
技術支援委員会木造塾部会 元部会長
「木造塾部会設立に尽力したという事で推薦を頂きました。建築士として一層励みたいと思います。」
出身地・住所地:愛甲郡愛川町半原
勤務先:大光工務店
今回、伝統技能者表彰を受賞された
鈴木さんに、宮大工になられたきっかけや現在のお仕事などについてインタビューしましたのでご紹介します。
◆プロフィール
半原宮大工矢内匠家十四代曾孫弟子。昭和13年元旦に愛川町半原で生まれ、地元小、
中学校を同28年卒業後半原宮大工矢内匠家14代孫弟子、
鈴木建設鈴木重二に弟子入り。昭和31年独立し、同33年「建築鈴木」とし自営。
昭和46年3月「総合建設大光工務店」県知事登録を受け以後継承する。
◆宮大工になったきっかけ
私の親方は、宮大工矢内匠家の孫弟子であり、また、親戚でもあった事から宮大工となりました。
今になると、良い親方に弟子入りしたと思っています。
津久井町金徳山光明寺本堂屋根修復工事、
相模原市当麻山無量光寺山門修復工事、
相模原市八幡宮拝殿本殿屋根他修復工事、
厚木神社拝殿塀殿本殿屋根修復板塀工事
◆現在のお仕事
現在も自営し、神社仏閣等の作事、一般建築の新設、増改築等をしています。長子が親方です(老いては子に従え)。
世間の大工さんに伝承しています。
◆心がけていること
宮大工としての極意(五意)を伝えていくのが私の心情です。
五意を伝承された半原宮大工矢内匠家は、五世代弐百年の匠歴でも既存される、
神社仏閣の建造普請では随所に観られるのが五意の秘伝です。これからも機会があれば、
半原大工の本髄をお話の継承を心がけます。
◆受賞の感想
日ごろの功績を讃えて頂いた事、
衷心より感謝申し上げます。
又、推薦いただきました関係各位に敬意を申し上げると共に、全国大会に引率を頂きました事、
翌日の加賀百万石の城下町の視察見学等(図書館、からくり館、日蓮宗妙成寺の由緒ある伽藍建造は観るところがありました。)
過分なるご好意に敬意を申し上げます。
◆最後に、今後の活動についてお伺いしました。
年間1回程度の半原宮大工の歴史等の講演と同会場で地割絵図面に古文書、
秘伝書、雛形、緊迫や各種大工道具等を展示し説明している昨今です。
絵図面では、設計関係に従事されている皆様ですので、今後の参考になればと考え撮影も可能です。
★鈴木さんは、矢内匠家5世代200年の足跡を20年以上調査され、
2009年には「半原宮大工矢内匠家匠歴譜」を自費出版されています。
お話をぜひお伺いしたいですね。これからも、益々のご活躍をご期待いたします。
神奈川建築コンクールは、神奈川の建築文化・建築技術の向上を図り、魅力あるまちづくりを推進するため、
神奈川県及び12市が主催しています。県内で2年以内に完成した建築物が対象で、優れた建築物の建築主・設計者・施工者を表彰します。
神奈川県建築士会もこのコンクールの協賛者団体として協力をしています。
今年度は、応募総数103件(住宅部門61件、一般建築物部門42件)の中からから主催者賞として、
住宅部門では優秀賞10作品、アピール賞2作品、一般建築物部門では、最優秀賞1件、優秀賞9件、アピール賞1件が選ばれました。
その中で、今回、協賛者賞「神奈川県建築士会賞」を受賞した会員のみなさんに受賞作品についてご紹介をしていただきました。
所在地 ● 横浜市保土ヶ谷区
建築主 ● (株)セラヴィ
設計者 ● 納谷建築設計事務所
施工者 ● (株)日興建設
■用 途:共同住宅・店舗
■敷地面積:132.23㎡
■延べ面積:577.59㎡
■構造・階数:RC造/地上6階
従来の画一的でない賃貸住宅を作りたいと考えました。 南北の2棟の住居棟とそれらを繋ぐ共有部による全体構成で、この共有部は光と風を届ける役目も果たしています。 各住戸プランは中央に配した水回りを集約させた木製のコアと、その両側の寝と食の各スペースからなります。 ファサードには様々な色の屋外ブラインドを取付けており、内部だけに留まることなく、街を彩るデザインとなっています。
所在地 ● 茅ヶ崎市
建築主 ● 個人のため非公表
設計者 ● (有)acaa建築研究所
施工者 ● 大同工業(株)
■用 途:専用住宅
■敷地面積:179.21㎡
■延べ面積:102.29㎡
■構造・階数:木造/地上2階
古い平屋の建て替えです。敷地には母屋と小さなはなれ、 そして風呂小屋が建ち、隙間は草木が茂り、海風がぬけてゆく気持ちの良い風景がありました。 私はその風景を新しい家に引き継ぎたいと思い、はなれと風呂が母屋から分離した家を提案しました。 提案は施主に受け入れられ、隙間には予算の許す限りの樹木を植えました。近い将来、 草木に覆われた風景が復元出来ればと願っています。
他の入賞作品や神奈川建築コンクールの詳細については、 神奈川県のホームページ( http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0721/kanagawa-architecture-concours/ )に掲載されております。 作品募集のお知らせも掲載されますので、次回は応募をしてみよう!と思われる方、ぜひご覧になってみてください。 また、 2 月または 3 月に本会教育講習委員会主催の入賞作品見学会の開催を予定していまます。 設計者や施工者の説明もありますので、「ナマ」の入賞作品を見に行きませんか! 見学会のご案内は掲示板 2 月号、メールマガジン、本会HPでご案内します。
所在地 ● 横浜市港南区
建築主 ● 笠原 裕史
設計者 ● ( 株 ) ミハデザイン 一級建築士事務所
施工者 ● ( 株 ) キクシマ
■用 途:共同住宅・店舗
■敷地面積:249.77㎡
■延べ面積:458.23㎡
■構造・階数:RC造 / 地上 3 階
建築主様の将来の夢を形にした建物を作るべく、建築主様、 設計の先生方と何度も打合せして形にしました。中央に広く空いた共用空地は、 3Fに住むオーナーが運営するカフェが主に使用する中庭であると同時に、上階への動線、 それぞれの店舗・住戸内に外部環境を引き込み、その空間は、都心のポケットパークのようでもあり、 「まちのにわ」として存在する場となっています。
所在地 ● 横浜市青葉区
建築主 ● 個人のため非公表
設計者 ● 桜本建築設計事務所Atelier-SAS
施工者 ● 三昭建設(株)
■用 途:専用住宅
■敷地面積:210.22㎡
■延べ面積:143.02㎡
■構造・階数:木造/地上2階
高気密・高断熱の閉鎖的な個室型住宅が失った快適さを取り戻すために、 高低差を活かした防災用貯水機能を持たせた水盤を宅内に計画した住宅です。 隣接する公園の桜を借景に、夏はプール、冬は足湯として人が集まり、晴れの日には水面のゆらぎと光の反射を、 雨の日には流れ込む雨水の音を楽しめます。刻々と移ろいゆく光・水・風・音を宅内に取り入れた情緒豊かな「住まい」を 提案しております。
所在地 ● 鎌倉市
建築主 ● 三井不動産(株)
設計者 ● 一級建築士事務所(株)手塚建築研究所
施工者 ● (株)斉藤建設
■用 途:展示場・飲食店
■敷地面積:445.81㎡
■延べ面積:190.90㎡
■構造・階数:S造/地上1階
古都鎌倉の中心地に、地元愛豊かな、そして上質な、 ローカルライフをコンセプトに鎌倉の海の匂いの漂う場所に設計された建物。 その美しさを表現する為に 設計事務所の先生方と細部に亘り協議と施工検討を重ねて、 心地良い時間を過せる空間を持つ建物を施工させて頂きました。とても素敵な建物に仕上りましたので、 皆様、一度お越し下さい。
10月17日(土)、18日(日)横浜産貿ホール、マリネリア他にて、神奈川・横浜 住まいみらい展実行委員会の主催で、「地球にやさしく、健康かつ安全で快適に暮らせる、これからの住まいを考える」というテーマで「神奈川・横浜 住まいみらい展」が開催されました。 当士会でも実行委員会に加わり、情報広報委員会がブースを担当し、各委員会や支部に呼びかけて展示や親子向けペーパークラフトコーナーを運営しました。 間口4m奥行2mのブースに各支部、委員会部会のパネル展示と士会紹介リーフレット、チラシ等を設置し、一般の方にも建築士会の存在を理解していただけるよう工夫しました。二日間、情報広報委員会委員が交替で展示説明にあたりました。 また教育講習委員会では基調講演「ロボットと共生する建築・都市のデザイン」を担当しました。 会場では鉄道模型の展示や起震車体験、災害時木造仮設住宅の展示、アトラクションなども行われました。 この催しは「第27回住生活月間中央イベント スーパーハウジングフェアin神奈川」と同時開催で、「ずっと住み継ぐかしこい家」をテーマに、初日は 高円宮妃殿下によるテープカットセレモニーが行われ、2日間にぎわいました。(編集部)
横浜には歴史ある建物がたくさんあります。その中から立体カードにデザインされた三つの建物、横浜市開港記念会館、ベーリックホール、山手234番館を来場者に作っていただきました。
あらかじめ切り込みを入れたカードに谷折と山折をして、台紙に貼って「とびだすたてものカード」の出来上がりです。
子ども部会では、建築士会のブースに立ち寄って下さる方のためにペーパークラフトを用意し、
メンバーが交替で二日間対応しました。
一日目は雨天だったこともあり、関係者が多かったのですが、
二日目は子どもから大人まで、関心を持ってくださるかたは多く、
用意したカードはほとんどなくなってしまうほどの盛況ぶりで、来場者と交流しながら大忙しの一日となりました。
子ども部会メンバーからのレポート
★2日目は、開場の10時前からチャレンジして下さった方を皮切りに、
あまり途切れることなくお客さんが来て、終了の3時までに合計30名の方に体験して頂きました。
情報委員会の方々などが呼び込みをして下さったのも大きかったと思います。比率としては子どものほうが少数でした。
子ども参加の場合は親も一緒で、大人だけの参加者も多かったからです。
参加された方々はみなカード作りを楽しんで下さった一方で、部会で用意したカード自体をほめて下さる方も複数いて、
「カードを家族のために持ち帰りたい」「売っていないのか」などという声も多数聞かれました。
中には、234番館で15年間もチューリップを植える活動に参加している方もいて、
234番館に熱心にチャレンジしていました。
いちばん人気だったのは開港記念会館で、お昼頃にはなくなりました。
次になくなったのがベーリックホールで、234番館が2枚だけ残りました。
お客さんがくると作り方を教えるのにつききりで士会PRは難しかったのですが、
興味のありそうな方には子ども部会の活動を説明させて頂きました。
今回の出展を通じ、限られた方々にではありますが建築士会のことを覚えて頂くことができたのではないかと思います。(岩倉)
★住まいみらい展、思っていた以上に大盛況でした。その割にスペースが狭くて困りました。私達が隣に座り、教えながらやろうとすると二人のお客様しか座れないのですが、実際は二人やっているとつられて他の方もやりたいと来るので、もう少し広いと良かったです。
お子さんはけっこうお手伝いの必要もありました。カードの素晴らしさに足を止める方が多く、持って帰りたかったという人が本当に多かったです。
士会のブースにせっかく来てくれたのだからアピールしないと、と思ったのですが、一般の方にどうアピールしたら良いか悩みました。
お子さんが楽しそうに作ってくれていると、この子達をまたイベントに呼びたいなと思い、子ども部会のイベントにも是非来てね、とHPを紹介しました。多くの方に楽しんでいただけて良かったです。(宇野)
基調講演「ロボットと共生する建築・都市のデザイン」はまさに神奈川・横浜 住まいみらい展にピッタリのテーマ。 講演者の渡邊朗子・東京電機大学未来科学部建築学科准教授は建築設計に加えて、 長年ロボットやICTをどう建築空間に取り込んでいくかという研究をされています。 ロボットと聞くとアトムやASIMOが思い浮かびますが、先生の研究は人型ロボットではなく、 身の回りの環境やモノに埋め込まれたコンピュータが連携して人間をサポートしてくれるという、 これまでになかった目に見えない空間のロボット化です。これを「空間の知能化」と呼んで、 検知能力の高いセンサーを駆使して、空間自体を知能化することで必要なサービスを提供できるようにするという研究です。 現在、「スマートリビング・プロジェクト」として実用化に向けて実験が行われているそうです。 人が部屋に入って来たら、それを感知して壁面からロボットチェアが出てきて座れたり。
この仕組みは高齢者の介護や見守りにもその能力を発揮できるので、今後高齢者の住まいでも活かされていくようです。 先生のお話では、東日本大震災後の現場でロボットも大いに活躍したけれど、一番活躍したのは技術を誇る日本製ではなく、 ドイツなどの外国のロボットだったそうです。日本のロボットは機能性や効率だけでなく、 どこか「ひとの思い」を大切にしているように感じました。先生の研究もロボットを人間の作業の代行者として考えるのではなく、 ひとの存在を大切にしてそれを守るために何をすべきか・・・ということが根底にあるのだと思いました。会場では42名の参加者が、 それぞれの思いで興味深く未来の住まいに思いを巡らせていらっしゃいました。
10月21日に中支部では『公図・登記・測量のキモを学ぶ!土地と建物・知っておきたいこんなこと』と題して神奈川県土地家屋調査士会湘南第二支部より講師をお招きし、登記・測量に関する講習会を開催しました。 当日は24名もの参加者がありとても盛況な講習会でした。 建築設計をする上で土地の形状や性格は誰もが日常業務で必ず行う最初の調査であり、そして重要なものです。この調査により建物の計画が進められます。それを考えるととても意義のある講習会だったと思います。 講師の説明はとても分かり易く丁寧でした。
また、調査士会湘南第二支部の支部長はじめ三役の皆様も参加していただき、それぞれの立場から講師説明以外で補足説明があり、 とても中身の濃い講習会でした。 公図には精度・種類によって建築計画にほぼ使えるものがあることや登記簿権利部の下線の意味、 滅失届は法務局から資産税課にはリンクしているが、 逆はリンクしていないことなど私にとって新たな知識を得ることが出来ました。 ネットでの登記簿等入手の質問には、その場ですぐ詳細を調べていただき、ネット入手は2種類あることや入手方法まで説明していただきました。 講習会後の懇親会では講師・支部長も参加していただき、和やかな雰囲気の中で講習会や今話題の事などに花が咲きました。宴が終わるのが惜しい懇親会でした。 今回の講習会を機に土地家屋調査士会湘南第二支部と建築士会中支部が同じ士業同士、連携・協力が出来ればと思います。
今年の中支部秋の研修ツアーは神事協中ブロックさんと共催で秋晴れの下、11月21日に開催しました。 ボランティアガイドさんの説明を受けながら、伊東忠太が日本建築の源流をアジア・インドに探り設計した築地本願寺からスタートし、 徒歩で2年前に完成した隈研吾設計の歌舞伎座を見学しました。 築地場外市場で海鮮丼の昼食を摂った後、浜離宮恩賜庭園までこれまた徒歩で移動。 今年復元された「燕の御茶屋」をメインに見学しました。園内の築地川沿いの水上バス発着場まで歩き、 ここでガイドさんとはお別れです。水上バスに乗り、隅田川を遡って浅草吾妻橋まで船からの眺めを楽しみました。 下船後は自由行動で東京スカイツリー近辺や浅草界隈などそれぞれ各自お目当ての所を見学・散策し、 再集合した後バスで帰路に着きました。日本の伝統建築から現代建築まで多様な様式を見学でき盛り沢山な研修ツアーとなりました。
去る、11月21日(土)『注目される木造建築』見学会ということで、14時に新百合ヶ丘駅に集合。
それから路線バスに乗り移動。バス停から、てくてく歩き、坂を登ります。
この時期としては暖かく、歩いていると汗ばむほどです。歩いていると、さらに坂の上に見覚えのある建物が見えてきました。
この日、一軒目の木造建築、「360°」です。
第58回神奈川県建築コンクール住宅部門で最優秀賞受賞の建物です。
(住宅特集2014年8月号に掲載)見学者、約30名が揃ったところで、設計者である納谷氏自ら建物の説明をして頂きました。
15名程度の2班に分かれ、それぞれ内部、外部を交代で見学しました。
1階のソファーに座った時の居心地の良さ。2階の芝生屋根を歩いた時の足裏に伝わる芝の感覚と、
そこからの景色がとても印象的でした。予定の時間が迫り次の場所へ移動です。次は、向ヶ丘遊園駅から歩く事15分。
この日、二軒目の木造建築「生田緑地東口ビジターセンター」です。この建物は1階は壁式RC造で、2階が木造です。
木造の構造材に県産材が使用されています。柱のない広々した空間をLVLの登り梁が支えています。
設計者である上原役員から建物の説明をして頂き、LVLや県産材の説明を、施工者、製材メーカーの方からして頂きました。
集合写真を撮って、17時の閉館時間が迫り、見学会は終了となりました。場所を移動して次は、親睦会&忘年会です。
見学会までの方と親睦会から参加の方ほぼ同人数でこちらも総勢30名程で、賑やかな親睦会&忘年会となりました。
平成27年11月7日(土曜日)午後6時より、小田急線小田急相模原駅に隣接された「おださがプラザ」4階にて、 相模原支部主催、NPO法人 建築文化研究会共催による講習会が行われました。他の支部の方々も多数参加して頂き、 会場は満員となりました。講師は、地元相模原で実際に爆破解体の施工をされている株式会社 相模工業の伊藤 農利男氏と、 同じく株式会社 相模工業の長野 正幸氏です。
「爆破による建築解体」と申しますと、海外からの映像で見るようなダイナマイトを用いて
建物全体を一気に粉砕を想像される方も多いと思われますが、ここ日本で行われるのは、そういったものではありませんでした。
ダイナマイトに比べれば少量の火薬を使用し、スラブ・壁・梁・柱と個々の部材をひとつひとつ
爆破によりコンクリートを破砕させた後、鉄筋切断して丁寧に取り外すといった感じです。
実際の現場での映像を交えながらの講義でしたので、参加者からは、「なるほど~」などの声があちらこちらから
聞こえてきました。また、講義中に実際に現場で使用する火薬等の模造品なども拝見させて頂きました。
また、タイトルにある「1/1000秒~」というのは、電子遅延式雷管というものを使用して、起爆を1/1000秒単位で制御して行う
コンクリート躯体の発破の事であり、時間を制御することにより、低騒音及び低振動の解体も可能との事でした。
講義終了後、時間いっぱいまで質疑応答が行われて、終始興味深い講習会でした。
施設の関係者から直接に案内・解説受けた研修会、木造建築の可能性が広がったことを火付けの
第一人者から学んだ講習会。
今後も参加しなかった方は損したと思うような講習・研修会を企画して皆様をお待ちしています。
平成27年11月21日(土)に介護付有料老人ホームの見学会を行いました。
前回の「介護保険制度」研修会の講義で得た知識がより深められたと思います。
次回は平成28年3月12日(土)第2回研修会<訪問看護師に学ぶ住宅改修のヒント「介護保険特定疾病の基礎知識」>を
藤沢市民会館にて開催する予定です。
●見学会に参加して (菊地 紀代子)
高齢者の問題が大きく取り上げられている昨今、福祉部会の企画した高齢者施設の見学会に参加しました。
東急東横線日吉駅より徒歩10分程の介護付施設「カーサプラチナ日吉」です。
今年4月オープン、RC造4階建て、居室は58室(1人部屋56室、2人部屋2室)定員60名の規模です。
入居対象は65歳以上で、要支援、要介護1~5の方です、現在40名弱(ご夫婦2組含む)の入居者がいらっしゃるとの事。 車イスの方、ご自身で歩かれている方、ご家族の方を見学中お見うけしました。 介護に関わる職員体制はご入居者2名につき職員1名を雇用という手厚さです。また、24時間看護スタッフが常駐、機能訓練指導員も常勤という態勢です。食事は施設内の厨房で調理されています。 理美容室も施設内にあります。新築間もない事もあり、きれいでサービスも充実、ハード面、ソフト面共勉強になりました。 比例して、利用料金は年金だけでは到底対応できない様に思いました。これからの老後の生活は、若い時からその人の考え、 生き方、想いに添うような人生設計を考えていかなければ・・・・・・と思いつつ見学しました。しかし、 病気、事故など予測できない事もあります。家族構成、価値観の多様性等々さらに複雑になって、対応が難しくなっていると思います。 ニュースでは今後、都市部の高齢者施設の不足、住宅問題を取り上げています。 高齢者施設の種類も増えています。空家問題等々も含めて、色々な分野の専門職が知恵を出し合い協力する必要性を感じます。
11月28日(土)にみなとみらいクイーンモールプレゼンテーションルームにて講習会を実施致しました。
講師は木造建築の防耐火技術がご専門の安井昇さん。
タイトルは「平成27年度第2回木造塾講習会×木材利用促進研修会2015yokohama ひろがる、
木造建築。」当日の参加者は87名でした。
本年6月施行の改正基準法により木造で3階建て学校等が建築可能となりましたが、
木造建築の何が変わり何が可能となったのか。木造塾部会が企画する講習会では法文の解説だけではなく、その規定の意味、
規定が作られる背景が理解できることを意図しました。
講習の冒頭では最近話題となった大規模木造がどのような防耐火技術を取り入れたものか、
木材利用の工夫について説明がありました。
その後、実大火災実験の映像等を見ながら実験結果と考察について詳細な解説を伺いました。
また、木は可燃物ですが、ではよく燃えるのか、木はどんな燃え方をするのか、RCの建物は安全で木造は火事に弱いのか、また防火性能、準耐火性能の違いはどこなのか、そういう基本の部分もしっかり理解できる内容でした。 今後も新しい告示について準備が進んでおりここ1年位で法整備が進むと入手しやすい木質材料の利用方法も増え、木造建築は更に広がりをみせるようです。 参加人数で木造に対する関心の高さを感じました。 今回は横浜市と共催で講習会の企画運営に当たりましたがこのこと自体も良い経験となりました。 これからの講習企画としては、2月6日(土)と2月27日(土)に講習会+見学会の連続講座を予定しております。住宅史がご専門の東海大学の小沢朝江先生を講師にお迎えします。テーマは「数寄屋と茶室 -『数寄』の空間と技術」です。一昨年の木造塾にて寝殿造と書院造をテーマにお話しいただいております。 今月号にチラシを同封しておりますのでご興味を持たれた方はどうぞお申し込みをお願い致します。