WES News 53 2012年 5月 1日

平成23年度活動報告

委員長  杉田 姫美子

今期、「『地域コミュニティの再生』と『ECO』を考慮した災害時活用住宅のあり方」を テーマに、その計画から提案までを見据えた長期プロジェクトとしてスタートした委員会活動ですが、 ともすれば『重く』なりすぎる内容だけにどこにフォーカスすれば建築士会女性委員会として見合った活動になるのか 手探り状態での一年となりました。 昨年3.11の震災発生から7ヶ月後に、女性委員会の皆様のご協力により、 その第1弾として10月9日に岩手県建築士会・女性委員会企画の野田村の野田中学校に設置された仮設住宅で行われた 「花咲プロジェクト」に参加させていただきました。 委員会メンバーからも、皆様に呼びかけをしていただき未使用の図書券を回収し、 気持ちですが宮城県の被災した小学校に贈る協力をさせていただきました。

同年11月15日(火)には今期テーマの資質向上を目指して本会「ヘリテージマネージャー養成講座」でも登壇されている工学院大学・後藤治教授を迎えて宮城県石巻市で取り組まれている『仮設でない永住の家建設プロジェクト』についての勉強会に、多数の皆様の参加をいただき開催することができました。  また、女性委員会として数年ぶりに女性会員の皆様に『女性委員会活動方針に関するアンケート』を実施させていただきました。集計報告についてはこのあとのページに掲載しておりますが、お忙しい所回答にご協力くださった皆様にはあらためてお礼申し上げます。 さらに、平成4年より「女性建築士との集い」から始まった建築士との交流を目的とした会も平成16年より「建築士会活動交流会」を本会主催として、第9回目となる相模原(2/4)大会も当委員会、青年、技術支援の各委員会と共に運営協力をさせていただきましたが、 女性委員会が発端となった交流会の目的として、次世代に繋がる人材発掘の場のひとつになっているという観点からも 引き続き企画・運営協力をしていこうと思っております。 延期されていた全国女性建築士連絡協議会 京都大会が平成24年2月17日に京都市勧業館・みやこめっせに於いて開催されました。平成23年度は震災の影響により全国大会が中止だったこともあり、例年より多い約500名の参加があったため会場確保から内容まで、変更を余儀なくされた京都士会の皆様には準備から大変なご苦労だったと思いますが内容はとても充実しており、『参加して良かった』と素直にいえる大会でした。 特筆すべきは「東日本大震災の現状報告」として 岩手・宮城・福島の被災3県の各委員長からの報告でした。なかでも福島士会女性委員長の「福島県民として原発を容認してきた事に対する自責の念」として、怒りと悔しさに肩を震わせ涙しながらの報告には、会場からも“もらい泣き”があちらこちらから聞こえました。 そういう私も、思わず目頭を熱くしたひとりですが震災後一年が経過した現在もいっこうに進捗が見えない復興に対して、どなたかが言っておりましたが「首都圏だったらもっと早い復興がなされたのでは?」というコメントに、ほんとに思わず「同感!」と感じてしまうのは私だけではないのではと思いました。 被災地とそうでない地域、被災者も気にはなるけど人それぞれにいろんな問題を抱えて生活しているわけで、なかなか思うように進んでいかない現状を踏まえつつ、でも何かお役に立てることがあれば・・・というような思いで次年度の活動を考えていきたいと思っておりますので委員会内外の皆様には何卒ご指導・ご協力の程、引き続き宜しくお願いいたします。 尚、全国女性建築士連絡協議会は本年度より隔年開催となりましたので次回は平成25年度の開催(開催地は未定)となりますことをこの場を借りてご報告させていただきます。 平成24年度全国大会は関東甲信越ブロックのひとつである「茨城」で本年10月19日開催になります。京都大会の閉会式にて関東ブロックの各女性委員と共に「茨城大会PR」のお手伝いもさせていただきました。 たくさんの皆様のご参加をお願いいたします。

全国女性建築士連絡協議会 報告

平成24年2月17・18日に京都市勧業館・みやこめっせにて全国女性建築士協議会 京都大会が開催されました。大会第1日目は、全体会として基調講演と東日本大震災の現状報告が開催されました。第2日目は、フィールドワークと分科会を合わせた形で開催され、 女性委員会でもいくつかの分科会に参加致しました。各コースとも充実した内容でとても有意義な大会となりました。

A分科会 「景観まちづくり」
  A-1a:秦家と修徳学区(景観まちづくりの先進事例)
雨森 隆子

一面真っ白、雪化粧した京都の朝に驚き、その美しさに感激しました。集合場所の元成徳中学校正門前へ、足元の不安と寒さに負け、タクシーで向かいました。元成徳中学校は、明治2年、日本初の近代小学校として開校され、昭和6年にこの地で中学校となります。平成19年に廃校、現在は、地域の方のための多目的ホール、会議室等に使われています。RC造3階建、窓やエントランスのアーチが特徴です。蔦のからまる美しい建物として知られているようです。 京都独特のまちづくりは、16世紀に遡り、町組(ちょうぐみ)=道路をはさんで形成された町が集まった自治組織から、始まっています。明治に、この町組が解体されましたが、現在の元学区は、町組が原型となっています。 元成徳中学校の学区、修徳学区のまち歩き、景観まちづくりの事例を見学し、その後、このまちづくりに関わられた京都大学 門内教授の講義を受けました。 長い歴史と京都人の気質、プライドだけでは、町を維持する事ができないということ、世代交代、マンションへの建替え、新しい住人と現住人とのコミュニケーションなど、いろいろな問題が発生しています。「行政任せにできない」、「まちづくりは、住人の手でしなければ」と言う思いをつなげること、そして、まちづくり委員会の設立、「まちづくり憲章」の作成、まちを守り、活性化に努める方々の存在があります。教授は、「コミュニティの再生は、21世紀社会の最大の課題」とのことです。 まさに「まちづくりは、ひとづくり」と思いました。

C分科会 「健康住宅と京材」
竹・紙・木・・・京に受け継ぐ伝統の技
芝 京子

雪化粧の京都の朝、総勢40数名のワーキンググループにて、旧市街地美観地区の職住共存地区で、 商いと共に暮らしがある京町屋が軒を連ねている地区からのワーキングです。 木と土、和紙等伝統的な素材及び伝統工法を活かし、現代の住宅への提案として改修された町家です。 棟札には、大正元年上棟とあり、3戸1棟の長屋形態でしたが、一部解体し(倒壊の危険あり)表屋を改修し、 葭屋(よしや)町校舎として主に学校の伝統教材、演習室、課外活動の場として利用され、北部分は町家型住宅改修モデルとして活用され、 次世代を担う若手技術者の養成等、町家の利活用としては大変素晴らしい参考になる事例です。2階天井部分から、 小屋裏の耐震補強も確認でき、非常に参考になります。 数奇屋建築と竹 切っても切れない素材です。建物に使用する部位は少ないですが、空間の品のよさと、驚きを与える材料です。 大正8年創業の銘竹問屋「横山竹材店」は、京銘竹や数奇屋茶席材、袖垣、竹垣から茶道具、照明器具など、 伝統と未来を結ぶような竹の本質と限りない可能性を提案しており、私たちも設計にぜひ取り入れたい素材の一つです。 桂離宮の襖の美しさと楽しさは、私の記憶から離れません。和風インテリアの原点とでも言うのでしょうか、その手法はまさに、 現代の手法に通じるものがあります。京唐紙・・・木版画で彫刻した板木上に絵の具を乗せ、和紙に伏せ柄を写す・・・ 浮世絵と同じような手法です。 作家(デザイン)、木工職人と昔から変わらぬ手仕事ですが、技術継承者らが伝統を守りながら現代のニーズにあった作品を作りつつ、 仕事に励んでいる姿に感銘を受けました。 前日早朝より、個人的に嵯峨野を散策してまいりました。落柿舎の近くの道端に、ごみの収集カゴ が普通ごみ・資源ごみと2種類おいてあり、感激いたしましたが、前述の「横山竹材店」が市から発注され作成しているとの事でした。 すべて本物はいいですね!!

E分科会 「歴史的な建築とまちなみ」
E-1:祇園町南側地区-伝統的な街区の景観とまちづくり-
水澤 結花

京都では数年ぶりという前夜からの美しい雪景色の中、祇園近くの集合場所に到着。店内ではコーヒーをいただきながら、 最初に今回の講師である上林さんからコースについて、スライドを使った説明を受けました。  祇園町南側地区は、優れた意匠形態を有する京町家で構成された地区です。しかし、この美しいまちなみは祇園町南側地区協議会を中心とした 「地域住民総意の底力!」と「地域への愛着と誇り!」なくしては形成できなかったという事実を初めて知りました。 また地域活動から生まれたルールとして、独自の「景観協定」「業種規制協定」「平成の町式目」があり、 特に日々の暮らしにルールをもち、粋にやろうと地域の全住民に提起した「平成の町式目」は、今日の日本が抱えている 諸問題を解決する糸口になるのではないかと実感しました。  フィールドワークは、狭い石畳道路の両脇にびっしり並んだ京町家のまちなみを上林さんが案内してくださり、 意匠的に優れた京町家の外観や私設消火栓・電気設備等の設置手法など興味深く見学することができました。 建仁寺では、お坊さんの興味深い話しに耳を傾けたり、美しい庭に感動したり。また、お稽古に通う舞妓さん達の 姿に京都ならではの風情を感じることもできました。  ランチは昨夜の懇親会に続き、久しぶりに再会した旧友や新しく知り合った他県の方々となごやかに、 とても楽しい時間を過ごすことができました。  「町並みは人並み」祇園町南側地区の住民の皆さんの熱意にとても共感でき、本当に充実した分科会+フィールドワークでした。

E-3:清水学区-歴史的なまちなみを守る防災システム-
浅見 美穂

清水坂から清水寺、さらに産寧坂を経て八坂の塔への散策コースと言えば、京都に初めて訪れる人の定番観光ルートでしょう。 私も、様々な年齢、季節に歩いていますが、冬の凛とした空気の中に身を置いたのは初めてです。 旧清水小学校は、明治2年下京第二十七番組小学校として創立、現在の建物は昭和8年に清水尋常小学校として建設されたものです。 児童減少につき平成23年3月に廃校となり、現在は自治連合会や地域のために使用されています。ここで町内会長の松井氏から、地域力の継続のための秘訣や尽力のご様子を伺ってから坂を登り始めました。 清水寺では、僧侶の特別な計らいにより、通常は立ち入り禁止の西門からの京都市内の雪気色を堪能しました。 東山区清水・弥栄地域には市民用消火栓が町のあちこちに整備され、大震災時の大火に対する消火、延焼防止のためだけでなく、 平常の火災にも活用できるシステムとなっています。  歴史的町並みにマッチしたデザインや材質で覆われた消火栓には、地域と文化財を守っていこうという住民の意気込みが感じられました。 さらに東山消防署職員の方のレクチャーにより、高台寺公園は防災公園として利用できるよう、地元でのワークショップにより作られ、 日頃から防災訓練や炊き出し訓練の場にもなっていることなどを伺いました。自助・共助・公助がしっかり結束した、 京都の確かな地域力を学ぶことができた贅沢な散策でした。

F分科会 「子どもと住環境」
F:明倫学区 明倫学区の子どもの暮らし今・昔
中原 尚代

その日、京都の街は雪化粧となり、前日の体調不良を忘れる事ができる程落ち着いた魅力に溢れていました。  フィールドワークに先立って、祇園祭山鉾連合会と地元子ども会の方より見学コースとなっている室町に住む子どもたちの今昔について、 レクチャーを受けました。 昭和20年代当時の子どもの遊び場が主に道だったこと、ガキ大将は全ての路地を把握していたこと、 祇園祭の山鉾をジャングルジムのように登って遊んだこと、祇園祭のロウソク売りは子どもたちに任されていたことなどなどいくら 聴いても興味が尽きず、昭和20年代の暮らしにぐっと引き込まれた気分になりました。  それに対して、現在は祇園祭が地元だけの行事ではなくなり、規模が大きくなったこともあり、 どの行事にも親の目がついてまわるというお話を伺い、どこまで親が介入するかということと子どもの自立について考えさせられました。  フィールドワークではレクチャーをして下さった祇園祭山鉾連合会理事のお住まいでもある商家をはじめ、 バランスの取れた格子や欄間飾りなどの素晴しい意匠を目の当たりにし、学生時代を過ごしたにも関わらす殆んど 忘れかけていた京都の魅力に新鮮な感動を覚えました。坪庭や建具、その他あらゆる納まりはその場所での暮らしや 機能性を考慮して造られている様子が伝わってきて、心から納得できるものでした。  「商家では、建物はいかにそこに置かれた品物が光るかを考えればよい」との住まい手の言葉が印象的で、 建築の原点を再認識させてもらえました。

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【女性委員会活動方針に関するアンケート】集計結果のご報告

水澤 結花

女性委員会では、女性会員の皆さんに今後の委員会活動に参加していただきたく、率直なご意見をお伺いする目的で、平成23年10月にアンケートを送付させていただきました。 その集計結果をご報告します。
【回答数】
女性会員319名中83名の方々から回答をいただきました。年代別では30代〜60代の方の回答が20名前後とほぼ同数で、全体の大多数を占めました。
【女性委員会活動への参加について】
「既に参加中/参加したい:30%」と 同委員会活動参加への前向きな回答が多くある反面、仕事や家庭の事情で「参加したいができない:48%」との回答も寄せられました。 年代別の回答は以下に示す通りです。

20代

30代

40代

50代

60代

70代

合計

参加したい

1名

2名

5名

2名

3名

1名

14名

参加したいが
できない

2名

12名

8名

10名

8名

0名

40名

【活動のテーマについて】
今期の同委員会のテーマ『女性建築士の視点で考える 防災と建築』(仮称)への参加希望者は35%で、 『今後の部会活動や講演・勉強会のテーマ』では「女性視線の住まいと暮らし方」や「環境問題」に関心が多く寄せられました。
【自由なご意見】
・活動に協力できたらと思っています。(20代)
・子育て中で子連れ可能だと参加しやすい。(30代)
・他の部会活動などで忙しく、参加したいが難しい状況です。(40代)
・講習会や見学会など他の部会とのコラボを検討してみてはどうでしょうか。(50代)
・女性委員会の特徴を活かした活動に期待しています。(60代)
など、沢山のご意見を伺うことができました。
アンケートに回答して下さった女性会員の皆さん、貴重なご意見を本当にありがとうございました。 今後はこのアンケート結果を参考に、女性委員会として新たな企画を発信していこうと思っていますので、 どうかお気軽に参加していただけたら幸いです。  また、女性委員会では新会員を大募集しています!  女性委員会の活動に少しでも関心のある皆さんの参加を心からお待ちしています!!

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青 年 委 員 会 だ よ り №14

2011年度建築士試験合格者向けセミナー
「建築士たちの社会貢献」

平成24年3月10日(土曜日) 横浜文化体育館 平沼記念レストハウス特別会議室にて小雨の降る中、開催しました。

▼司会進行の青年委員 小野寺安紀子

先日、青年委員会主催の新規合格者セミナーに参加させていただきました。私は昨年建築士試験に合格し、とあるサイトにより建築士会の青年委員会所属の方に出会い、このセミナーのことを知り、すぐに参加の意思を告げると、是非セミナー参加の前にオブザバーとして、青年委員会(定例会)へ参加をして見たらと、お誘いを受け参加をさせていただきました。 難関とも言われる一級建築士を取得、何か気持ちの中でやりきったと言う思いの中でのお誘いを頂き、建築士(有資格者)としての士気を高める為には、建築士の先輩方との意見交換の場になればという思いで、建築士会に入会し、青年委員会に参加しています。  さて、今回の新規合格者セミナー「建築士たちの社会貢献」という題材は、私たち昨年度試験に合格した者には重く圧し掛かりましたが、自分が「建築士になったんだ!」と思える題材でした。 セミナーの内容は①被災地に仮設の浴室を造りに向かう支援活動。②県職員による応急仮設住宅建設の 行政支援について。まさに「建築士たちの社会貢献」と思う講演を聞き、自分たちが資格者になった以上、 これからは色々なことを学び、そして今後建築士の責務及び、有格者としての意識の向上をこの建築士会 青年委員会の活動を通して学んでいければと思います。 これからも色々なイベント、セミナー等の活動があれば積極的に参加させていただきます。
 (参加者 伊藤誠一)

▼当日のセミナーの様子

平成24年度 関東甲信越建築士会ブロック会
青年建築士協議会 新潟大会のご案内

大会テーマ『温故知新』
~過去と未来を繋ぐ現在(いま)~
開 催 日  平成24年6月15日(金)~16日(土)
会  場  新潟県湯沢町「ナスパニューオータニ」
第1分科会 発表テーマ 『未来へのアクション』
各都県活動報告
第2分科会 講演会:「温故」~始まりを尋ねて~
   講師/北川フラム(大地の芸術祭ディレクター)
   パネルディスカッション:「知新」~未来の始まり~
第3分科会 関ブロ青年協主催企画
「大震災における建築士の役割について」
~大震災において何ができるか~

※参加希望者は、青年委員会までご連絡ください。
青年活動はfacebookファンページでも確認できます

情報広報委員会編集協力
支 部 ・ 委 員 会 だ よ り №8

第9回神奈川県建築士会活動交流会 相模原大会
ヴァナキュラー建築から未来の住まい方
交流会レポート
内沼 良和

第9回神奈川県建築士会活動交流会相模原大会が終わり数ヶ月が過ぎ、あれこれ思うところがありました。  相模原支部で開催することに名乗りを上げ実行委員会を立ち上げ模索していく日々が続きました。折しも 相模原市は数年前に政令指定都市となり、また「ハヤブサ」が帰還、日本の幹線となる「リニア」の停車駅が決定という時代の流れもあり、相模原市が注目を集める格好の材料がそろっておりました。  「ヴァナキュラー建築から未来の住まい方」として、 太古の昔から現代のまちづくり、未来の予感を感じさせる「ハヤブサ」を題材にし相模原市の歴史や地域特性を再認識し、市民や行政と共に都市づくり、生活を創成していくための交流活動という位置づけでとらえました。  第一部では基調講演として、相模原市博物館 学芸員、JAXA ISS科学プロジェクト室長、相模原市都市建設局の方の講演をして頂きました。  第二部では、相模原市に在住する建築士2名を加えパネルディスカッションを行いました。歴史からみる建築や、未来の住まい方、都市交通を絡めての建築は多種多様に考え方や物のとらえ方がそれぞれ違い、いろいろな刺激となったかと思います。  当日は100人を越える参加者があり、相模原市長の挨拶もあり、無事に交流会を終了させたスタッフとしては一安心というところです。  開催まで、ご苦労をおかけした皆様に、ここであつくお礼申し上げます。 次回開催支部は「中支部」の予定です。スタッフは多分大変苦労しますが、終わった時の喜びも又、いい心地です。 みなさんで盛り上げて楽しみましょう。

プレ交流会レポート

「第9回神奈川県建築士会活動交流会相模原大会を 10倍楽しむ見学会」  相模原大会の当日は時間的制約があり、相模原大会をより深く知って頂き講演を聴いて頂く為に企画いたしました。  1月21日(土曜日)で、朝から冷たい雨が降りしきる中参加して頂いた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。  第一の見学先は旧石器ハテナ館でした。比較的こぢんまりとした建物ですが、相模原市民にとって人気が高い建物です。相模原の石器時代からの歴史が刻まれ、  当時の人となって黒曜石でヤジリの作成体験をしました。

▼黒曜石でヤジリの作成体験風景

第二の見学先はJAXA相模原キャンパスです。ここでは「ハヤブサ」が着陸し砂を持ち帰ったとされる小惑星「いとかわ」 の模型やロケットの歴史など説明を受けました。  第三の見学先は相模原市立博物館です。ここでは旧石器時代から、近代の相模原の様子などの説明を受けました。  プレということで、本交流会に向けてのサブ企画でしたが参加して頂いた方には楽しんで頂いたようでした。  プレ交流会という形でのイベントとしましたが活動交流会というものは色々な要素があり、枝分かれして、 様々な交流のかたちが形成でき、奥深いものを感じました。

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第1回神奈川県ヘリテージマネージャー大会
立ち上がれ!ヘリテージマネージャー

3月11日(日)東日本大震災から一年目に当たるこの日、神奈川県で初めてのヘリテージマネージャー大会が開かれました。テーマは「立ち上がれ!ヘリテージマネージャー」、講座の修了生が100人になったことから開催されたものですが、横浜ワールドポーターズの会場には多くの参加者が集い、歴史的建造物の保全活用に向けて、ヘリマネの活動が報告されました。 1年間の試行を経て、平成21年、兵庫県のヘリテージマネージャー制度等を参考に神奈川県でも邸園(歴史的建造物)保全活用推進員養成講座としてスタートしました。修了生のためのアドバンス講座や実践活動の場としてスクランブル調査隊に参加する等、年々盛んになっています。  この日は基調講演の講師に地域遺産プロデューサーの米山淳一さんを迎え「歴史を活かしたまちづくり」をテーマにお話いただきました。「人生はボランティア」という米山さんから明るい口調で全国や海外の事例をお話いただき、参加者も前向きな気持になれたのではないでしょうか。  ヘリマネ講座修了生による活動発表では、関さん、田代さん、森山さん、竹田さんから取組みのようすをお話いただきました。  続くパネルディスカッションでは技術支援委員長の村島さんをコーディネーターに発表者と米山さん、ヘリマネ講座の校長である西和夫先生を加えて、今後もヘリマネの活動を続けるためには何が必要か、活動費をどうするのか、所有者との信頼関係を築くには等、 活発な意見交換が行われました。会場からの質問も受け、時間が足りなくなるほどでした。  西先生から「自分たちでやるしかない。所有者のネットワークづくりが大切。行政は後押しをする役割を担う」というお話を伺い、 だれかがやるだろうではだめなのだと改めて感じました。

▼パネルディスカッションのようす

会場には歴史的建物の保全活用に取り組んでいる団体のパネル展示もあり、休憩時間には来場者に説明する姿もみられました。(編集部取材)

参加者の感想(参加者アンケートより)
参加者の感想では、大会は概ね好評で継続を望む声が大多数でした。 自由意見では、①東日本大震災からの復興を含め日 本再生の道となる活動とすべき、建物を生んだ地域の文化や日本の伝統文化を含めて保全すべきといった活動理念に関するもの ②広く県民にヘリマネの活動を知らせていくべき、ヘリマネの受け皿となる団体を立ち上げていくべき、士会が相談窓口となるべき、法制度や税制に関して文化庁・国交省・財務省等に提言していくべきといった活動内容に関するもの ③活動資金を生む仕組みも必要といった問題提起などがありました。  以上、大変高い関心を持って来場された方が多く、今後の発展が楽しみです。

教育講習委員会の活動から
すべての建築士のための総合研修
委員 河内 崇

教育講習委員会では、建築士や建築に携わる方々の業務や関心事にマッチした講習会が開催できるよう心がけております。最近の委員会では基礎や防水など性能に関する事から、瑕疵担保保険など制度に関する事なども議題にあがっています。 さて、昨年度も「すべての建築士のための総合研修」を2月28日に開催いたしました。今回のテーマは「戸建木造住宅設計コース」です。長期優良住宅やCASBEEなど、環境や省エネ性能に係る部分も大きく織り込まれ、質問の時間には様々なご質問をいただき、今回のテーマの関心の高さがうかがえました。一日がかりの講習会でしたが大勢の方々にご参加いただき、大盛況な講習会となりました。 秋以降には「戸建木造住宅設計コース」の続編ともいえる講習会「戸建木造住宅施工コース」も予定しており、またそれ以外でも時代にマッチした講習会を企画しておりますので皆様のご参加をお待ちしております。

技術支援委員会各部会の活動から

福祉部会

2月、3月の研修に大勢の方が参加されました。 研修の詳細については、サロン等で報告いたします。 2月24日 横リハ研修「障害児(自閉症児・肢体不自由児等)への住宅改修時のいろいろな工夫」 

3月17日 専門職連携による住宅改修研修会・専門職同士の交流・グループディスカッション

建築環境部会

1月21日 技能職集団との交流と架け橋
「建具職の現状と匠の技を知る」
講師 小田原 健氏
建具職人 蓑島良一氏(組子実習指導)
建具職のおかれている現状を知り、組子を実際作る作業を通し、建具職の今後の展開を考える講習会でした。
2月25日 地中熱利用住宅モデルハウス見学会
埼玉県さいたま市緑区 株式会社藤島建設
地中熱をヒートポンプを用い冷暖房・給湯に利用。鋼管杭の中に採熱管を入れ、熱を取り入れるシステムです。 これからの住宅のエネルギー源として期待でき、現実に取り入れられるシステムでした。

こどもの生活環境部会

12月19日 建築学会関東支部材料施工専門研究委員会
     ユニバーサルデザイン建材ワーキングで部会活動説明
12月26日 「都市景観大賞」(景観教育・普及啓発部門)に応募
1月11日  勉強会「鞆こども園」について
※定例会にて毎回30分部員による学習会を実施

スクランブル調査隊

12月23日 旧モーガン邸車庫修復作業
12月~日本基督教団鎌倉教会会堂・幼稚園ホール調査
1月28日 邸園保全活用推進員講座に協力、修了式
1月28日 出前講座IN小諸を実施
1月 ヨコハマヘリテイジの要請による山手地区洋館全棟調査
2月 ヨコハマヘリテイジの要請による横浜市内歴史的建造物台帳のメンテナンス調査
2月 文化財ドクター派遣 宮城県涌谷町「土井家住宅(仁王堂)」
2月25日 出前講座IN大垣を実施
3月3日  浦賀フォーラム「歴史的建造物から見た浦賀の魅力」
3月11日 第1回神奈川県ヘリテージマネージャー大会
  「立ち上がれ!ヘリテージマネージャー」

景観整備機構検討部会

“景観”に興味のある方、是非一緒に活動しませんか?!
◇◇◇昨年度1月以降活動報告◇◇◇
2月8日  景観づくり勉強会開催 講師:吉田洋子氏
         (吉田洋子まちづくり計画室)
3月11日 神奈川県ヘリテージマネージャー大会運営参加他、月1回部会会議開催
     ◇◇◇今年度予定◇◇◇
今年度は、神奈川県下各行政(景観行政団体)から『景観整備機構』の指定を受けるべく、本会、各支部、及び技術支援委員会各部会と協働し、順次、申請手続きをすすめていきます。『景観づくり』の重要性が高まるなか、本会=全会員が整備機構として公益事業の一端を担う事はとても重要な事だと考えています。 また、昨年度に引き続き、部会主催の『景観づくり勉強会』も近々に開催予定です。今後の部会活動は、 士会会員の皆様のご協力が必要となってきます。是非とも皆様のお力をお貸し下さい!

『編集後記』

満開の桜とともに始まった初めての編集作業、53号も今年の桜のようにきれいに開花して欲しいと願いつつ作成しましたがいかがでしょうか。 これからもWESニュースにて、みなさまにたくさんの活動報告をしていきたく思います。宜しくお願いします。(浦 絵美)

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