第1分科会
審査基準に基づき採点、集計の結果、下記の発表が最優良賞となりました。 ○最優良賞
いつもフレッシュ子ども部会・神奈川県 菱田淑之、仲松佳子
「子どもを取りまく環境について、建築士の視点を活かして
考えてみよう」私たちはそんな活動をしている部会です。
恐る恐る試みたワークショップ活動も今年で4年目を迎えました。
近年、悲しくも子どもにまつわる事件や問題が多発している中で、「子どもたちが『家族・家・住まい・まち』をどんなふうに
とらえているのか知りたい」、また様々な形態を持った家族が存在する社会の中で
「子どもたちに自分の居場所・夢などを考えてもらえたら・・・」という思いで行っているワークショップや授業支援は、
この4年間で通算20回開催したことになりますが、嬉しいことに毎回好評の言葉を頂いております。
建築士として・親として、少ない予算の中で月に一度の限られた時間の定例会の他に、
メーリングリストで意見や情報を交換し合い、時には討論になったりしながら試行錯誤しつつ知恵を絞りあいながら活動を続けています。
昨年秋には、少ない時間で伝えきれない私たちの思いや考え・過去の 活動をメンバー全員の手でまとめ、1冊の本として出版しました。 子どもとの活動を始めたきっかけや活動内容、運営上の工夫や企画を 立てることの難しさなどを盛り込んだ内容となっています。 ぜひ、ご一読下さい。
このような活動の中、昨年から今年にかけて新たに3人のメンバーが加わりました。 参加のきっかけや経緯はそれぞれですが、子育て真っ最中の者や仕事と子育てを両立して参加している者など、 活動のスタンスもまたそれぞれです。さらに昨年には、以前活動に参加していたメンバーが出産を終えて3年ぶりに復帰しました。 【2006年最後の定例会】
新しいメンバーだけでなく私たちは皆、年齢・家庭環境・仕事の内容など置かれている立場は各々異なりますが、共通する建築士としての目線から、子どもたちに夢や希望を持ってもらう場を提供したいと思い、活動を続けています。
以下、昨年度(2006年度)から現在までの活動内容をご紹介します。
2月 ○川崎市立宮前平小学校にて「住教育」6年生家庭科授業支援
○横浜市立南小学校にて「快適な住まい」5年生家庭科授業支援
3月 ○横浜市立寺尾小学校にて「夢の部屋作成」5年生家庭科教材提供
7月 ○全建女全国大会にて「活動報告」発表
8月 ○藤沢市かもめ・つばめ児童クラブにて「建物探検」ワークショップ
○旧モーガン邸「建物探検」ワークショップ
○東京電力と共催で「生活空間を作る」ワークショップ
9月 ○「やってみました!子どもワークショップ」出版
10月 ○全国大会(栃木)にて情報パーク出展
12月 ○藤沢市ひまわり児童クラブにて「部屋模型作り」ワークショップ
1月 ○藤沢市立新林小学校にて「家から町へ」3年生総合学習授業支援
2月 ○神奈川県建築士会活動交流会にて「活動報告」発表
3月 ○横浜市立南小学校にて「快適な台所」5年生家庭科授業支援
○子どもの生活環境部会 H18年活動報告会開催
4月 ○こども環境学会 活動報告ポスターセッション出展
今年度は、従来のワークショップや授業支援活動に加え、昨年までの活動をベースに、
経験したことをより有効に次の活動に繋げていけるような部会内のシステムづくりにも力を入れていきたいと考えています。
神奈川県建築士会子どもの生活環境部会は、更に進化中です。
※各活動のようすなど、詳しいことはホームページをご覧下さい。
http://www.kanagawa-kentikusikai.com/iinkai/gijutsu/kodomo/
※「やってみました!子どもワークショップ」の購入お申し込みは、こちらまで。
メール:kodomo@kanagawa-kentikusikai.com
FAX:神奈川県建築士会 045(201)0784
第1分科会議事録・小笠原 泉
(1) はじめに
1都9県で構成される関東甲信越ブロックは、太平洋と日本海に挟まれた広域な地域に位置しており、
その地域の気候や生活スタイルも大きく異なっています。
また、ブロック内で建築士が日々取り組んでいるまちづくり活動の内容も、地域の資産の保全・活用といった活動にとどまらず、
地域のもつ課題に正面から取り組んだ活動から、次世代の建築士の担い手となる子どもへのアプローチなど、
実に様々な切り口をもって進められています。
第1分科会においては、「地域を学び考える」と題し、そのテーマに沿って選び抜かれた1都9県の代表が、
それぞれの地域貢献活動について報告していただきました。
当日は、多くの参加者を前に、熱のこもった発表と意見交換がなされ、地域に根ざした建築士の存在を再認識するとともに、
今後の地域における取り組みの可能性を探る場とすることができました。
(2) 活動報告の概要
神奈川大会第1分科会で発表された活動報告の内容をテーマ別に分けますと、
① 地域のまちづくりを考えた活動 (4件)
② 建築士の職能を活かした活動 (3件)
③ 次世代をになう子どもを中心にした活動 (3件)
の3つに大きく分類することができます。
①②については、県産材を使った「地産地消」を進める活動報告や、住宅耐震補強の取り組みなど、
現在、地域で課題となっていることへの取り組みが報告されたほか、③については、「ダンボールハウスづくり」や「バリアフリーマップづくり」、
「児童クラブや小学校などでのワークショップ」など、こども達や学校とのコラボレーションの事例報告があり、
たいへん広範囲に活動の輪が広がっていることが、改めて認識できた報告会となりました。
(3) 選考結果
第1分科会は、全国大会での活動報告発表者を選考するコンペを兼ねており、本発表会で選出された優秀発表者は、
9月に開催される建築士会全国大会(北海道大会)にエントリーすることになっています。
各都県の代表とも、パワーポイントによるプレゼンテーションを中心に、10分間の報告時間いっぱいに、工夫をこらした発表を行いました。
全ての発表終了後、各都県から選出された審査員による慎重な審査の結果、本大会においては、
「いつもフレッシュ子ども部会」と題して児童クラブや小学校などでのワークショップの事例報告を行った神奈川県が関東甲信越ブロックの代表に
選ばれました。
(4) まとめ
活動報告や審査結果を振り返りますと、まちづくりの活動は、建築士としての職能を活かして地域のまちづくり活動を
支援していくという従来の活動形態から、次世代の建築士を育てていこうとするインキュベーター的役割をもった活動へと、
その視点を拡げているとの印象が強く残る活動報告会となりました。
最後に、代表に選ばれた神奈川チームの全国大会での活躍を期待するとともに、何よりも、第1分科会を企画運営し、
支えたスタッフの皆さんの努力と実行力に、あらためて感謝したいと思います。